日本歴史地名大系 「太神宮諸雑事記」の解説 太神宮諸雑事記だいじんぐうしよぞうじき 二巻二冊別称 神宮雑記・神宮雑事など分類 記録写本 神宮・内閣・京大・東大など解説 荒木田徳雄家相伝の古記文に、その子孫(興忠・氏長・延利・延基ら)が書継いだもの。垂仁天皇二五年皇大神宮の鎮座から筆を起こし、延久元年一一月に至るまで神宮の重要事件を編年式に記録。伝本は流布本・異本各三種、混態本に整理。室町期書写の古写本が大須文庫(名古屋市宝生院)に伝わる。吉見幸和の「難太神宮諸雑事記」など、本書の信憑性を疑う学説もある。活字本 群書類従 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「太神宮諸雑事記」の意味・わかりやすい解説 太神宮諸雑事記 (だいじんぐうしょぞうじき) 伊勢の神宮の,創建より平安末期までの主要事項を編年体で記した書。平安末期の撰,皇大神宮禰宜(ねぎ)荒木田一族の手で書きつがれてきた書で,2巻よりなり,第1巻は垂仁天皇のときの皇大神宮鎮座より後一条天皇のときまで,第2巻は後朱雀・後冷泉天皇のときについて記す。神宮史をみる上での重要書の一つで,信憑性に欠ける部分もあるが,式年遷宮の制定時期,神宮と朝廷との関係などをみる上で根本となる書で,9世紀末の荒木田徳雄が,それまでの古記文を編述の上,自身で書きつぎ,以後一族の興忠,氏長,延利,延基と書きついだ。《群書類従》神祇部,《神道大系》神宮編所収。執筆者:鎌田 純一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「太神宮諸雑事記」の意味・わかりやすい解説 大神宮諸雑事記だいじんぐうしょぞうじき 古代伊勢(いせ)神宮の重要事件を記した書物。全2巻。編年形式で、垂仁(すいにん)天皇25年の天照坐(あまてらします)皇太神の鎮座より1069年(延久1)までを記録。奥書によれば、本書は内宮禰宜(ないくうねぎ)荒木田徳雄神主(かんぬし)相伝の古記録に、孫の興忠神主以下4代の神主が各自書き継いだものという。1079年(承暦3)に正文を火災で失ったが、他に伝本があって、1093年(寛治7)神祇官(じんぎかん)に提出し翌年返されて巷間(こうかん)に流布伝来した。神宮財政などに重要な記述が多い。[矢野建一] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by