神恵内(読み)かもえない

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神恵内」の意味・わかりやすい解説

神恵内(村)
かもえない

北海道西部後志(しりべし)総合振興局管内の村。積丹半島(しゃこたんはんとう)西岸にあり、日本海に面する。村名はアイヌ語の「カモイナイ」(美しき神秘な沢)より転訛(てんか)したものである。村域の大部分は第三系の積丹火山群からなる山地で、ポンネアンチシ山、両古美(りょうこび)山などがある。山地を切って流れ、日本海に注ぐ古宇(こう)川が河口に狭小な平野をつくり、神恵内港がある。かつてはニシンの千石場所であったが、現在ではイカ、スケトウダラ、マスなどを漁獲する。西(さい)の河原断崖(だんがい)と奇岩の海岸はニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園の一部。海岸に沿って国道229号が走る。神恵内2000年の森公園、青少年旅行村、村営温泉などの施設がある。面積147.79平方キロメートル、人口870(2020)。

[瀬川秀良]


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改訂新版 世界大百科事典 「神恵内」の意味・わかりやすい解説

神恵内[村] (かもえない)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁古宇郡の村。人口1122(2010)。積丹(しやこたん)半島の西部に位置し日本海に臨む。積丹山地が海にせまり,海岸は海食崖の続く部分が多く,景勝地としてニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部に指定されている。1751年(宝暦1)以来,フルウ(古宇)場所として場所請負人によって漁業開発が行われ,ニシン漁の最盛期であった明治末から大正にかけては人口も5000を超えたことがあったが,昭和に入ってニシン漁は衰退し村勢は退潮に向かった。漁業の中心はスケトウダラ,イカ,サケ・マス漁に移り,これに伴って漁港整備が進められ,近年は水産加工も伸長してきた。村域の大部分は国有林で,農業は振るわず,古宇川沿いなどにわずかな耕地がある。
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