積丹半島(読み)しゃこたんはんとう

精選版 日本国語大辞典 「積丹半島」の意味・読み・例文・類語

しゃこたん‐はんとう ‥ハンタウ【積丹半島】

北海道西部、日本海に突出する半島。積丹岳(一二五五メートル)がそびえ、海食崖海岸線をもち、積丹岬、神威(かむい)岬がある。安政三年(一八五六女性の通行解禁後、漁業入植者が多く、岩内、余市などは昭和初期までニシン漁で栄えた。ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一中心

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デジタル大辞泉 「積丹半島」の意味・読み・例文・類語

しゃこたん‐はんとう〔‐ハンタウ〕【積丹半島】

北海道西部、日本海に突出した半島。海食崖かいしょくがいが発達し、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部。

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日本歴史地名大系 「積丹半島」の解説

積丹半島
しやこたんはんとう

後志山地の北西部にあり、日本海に北西方向に突き出す半島。基部はほぼ岩内いわない平野の堀株ほりかつぷ河口余市よいち湾の余市川河口を結ぶ線で、その幅約二五キロ、これと直交する神威かむい岬までの半島の長さは約三〇キロで、後志支庁岩内郡共和きようわ町、同古宇ふるうとまり村・神恵内かもえない村、同積丹郡積丹町、同古平ふるびら古平町、余市郡の余市町仁木にき町が属する。当半島は後志火山山地の形成と軌を一にし、半島北西部に積丹岳(一二五五・三メートル)を最高峰として余別よべつ岳・珊内さんない岳など一〇〇〇メートル級の火山群があり、ここから半島基部方向に次第に低まる火山脊梁が走り、全体的に火山の分布は半島南西側に偏在。石狩湾に面する北東側では、半島基部からヌッチ川・古平川・美国びくに川などが丘陵性火山域を開析し、河口に低地もやや開ける。

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改訂新版 世界大百科事典 「積丹半島」の意味・わかりやすい解説

積丹半島 (しゃこたんはんとう)

北海道西部,後志(しりべし)火山群が日本海に北西に突出する半島。長さ約40km,幅約25kmで,ほぼ全域が第三紀の火成岩類によって構成され,安山岩質の溶岩や集塊岩が多い。海食によって断崖と奇岩を伴う雄大な景勝を生じ,ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている。余別岳(1298m),積丹岳(1255m)を主峰とし,北西~南東方向に脊梁山地が形成され,先端に積丹岬,神威(かむい)岬が突出している。海岸部にも低地はほとんどなく,山地がただちに海に接し,しばしば高い海食崖をつくっている。浸食谷の末端部には江戸時代から漁業用施設が置かれ,とくにニシン漁で活況を示し,明治中期には繁栄の頂点に立った。しかし昭和に入ってニシン漁は完全に衰退し,著しい人口減少を示した。現在はスケトウダラ,イカ,カレイなどの水揚げがあって,水産加工業が立地し,乳牛,肉牛の飼養地もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「積丹半島」の意味・わかりやすい解説

積丹半島
しゃこたんはんとう

北海道西部、渡島(おしま)半島の基部で日本海に突き出る半島。新第三紀層を基盤とし、その上に安山岩、石英粗面岩などからなる火山体をのせ、後志火山群(しりべしかざんぐん)をなしている。北部山地に積丹岳(1255メートル)、余別(よべつ)岳(1298メートル)、ポンネアンチシ山(1145メートル)、珊内(さんない)岳(1091メートル)、南部山地に熊追山(805メートル)、天狗(てんぐ)岳(872メートル)、八内(はちない)岳(944メートル)などの山々がある。山地は海岸に迫り、20~80メートルの海食崖(がい)をなしている。半島には丸山岬、マッカ岬、積丹岬、神威(かむい)岬、川白岬、竜神岬など多くの岬がある。山地を刻む河川は小さいが急流で滝となって落下する所もある。平地に乏しいために農業は発達せず、余市(よいち)、岩内(いわない)の二大漁港をはじめ、古平(ふるびら)、美国(びくに)・入舸(いりか)・余別(積丹町)、神恵内(かもえない)などの漁業集落が点在し、かつてのニシン漁にかわって、スケトウダラ、コウナゴなどを漁獲する。海岸沿いを国道229号が走る。海岸一帯はニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園をなす。

[瀬川秀良]

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百科事典マイペディア 「積丹半島」の意味・わかりやすい解説

積丹半島【しゃこたんはんとう】

北海道南西部,日本海に突出する半島。第三系を基盤にした積丹岳,余別岳などの火山体が主要部を占める。海岸は海食崖をなし,積丹岬,神威(かむい)岬があり,ニセコ積丹小樽海岸国定公園に属する。
→関連項目石狩湾岩内[町]積丹[町]古平[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「積丹半島」の意味・わかりやすい解説

積丹半島
しゃこたんはんとう

北海道西部,日本海に臨む半島。長さ約 40km。幅 20~30km。新第三紀層を基盤に多くの火山が噴出。余別岳(1298m),積丹岳(1255m)など 1000m前後の山地が連なり,山地は浸食が進んで壮年期の山容を示す。先端部に積丹岬神威岬が突出。海岸は高さ 50m内外の海食崖が発達し,海岸段丘面を除いて平地は少ない。漁業が中心で,余市町,古平町,積丹町,神恵内村,泊村などの町村はかつてニシン漁で栄えたが,今日ではスケトウダラ,ホッケが主要漁獲物。1963年海岸の大部分ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定された。

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