後志山地の北西部にあり、日本海に北西方向に突き出す半島。基部はほぼ
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道西部,後志(しりべし)火山群が日本海に北西に突出する半島。長さ約40km,幅約25kmで,ほぼ全域が第三紀の火成岩類によって構成され,安山岩質の溶岩や集塊岩が多い。海食によって断崖と奇岩を伴う雄大な景勝を生じ,ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている。余別岳(1298m),積丹岳(1255m)を主峰とし,北西~南東方向に脊梁山地が形成され,先端に積丹岬,神威(かむい)岬が突出している。海岸部にも低地はほとんどなく,山地がただちに海に接し,しばしば高い海食崖をつくっている。浸食谷の末端部には江戸時代から漁業用施設が置かれ,とくにニシン漁で活況を示し,明治中期には繁栄の頂点に立った。しかし昭和に入ってニシン漁は完全に衰退し,著しい人口減少を示した。現在はスケトウダラ,イカ,カレイなどの水揚げがあって,水産加工業が立地し,乳牛,肉牛の飼養地もある。
執筆者:岡本 次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
北海道西部、渡島(おしま)半島の基部で日本海に突き出る半島。新第三紀層を基盤とし、その上に安山岩、石英粗面岩などからなる火山体をのせ、後志火山群(しりべしかざんぐん)をなしている。北部山地に積丹岳(1255メートル)、余別(よべつ)岳(1298メートル)、ポンネアンチシ山(1145メートル)、珊内(さんない)岳(1091メートル)、南部山地に熊追山(805メートル)、天狗(てんぐ)岳(872メートル)、八内(はちない)岳(944メートル)などの山々がある。山地は海岸に迫り、20~80メートルの海食崖(がい)をなしている。半島には丸山岬、マッカ岬、積丹岬、神威(かむい)岬、川白岬、竜神岬など多くの岬がある。山地を刻む河川は小さいが急流で滝となって落下する所もある。平地に乏しいために農業は発達せず、余市(よいち)、岩内(いわない)の二大漁港をはじめ、古平(ふるびら)、美国(びくに)・入舸(いりか)・余別(積丹町)、神恵内(かもえない)などの漁業集落が点在し、かつてのニシン漁にかわって、スケトウダラ、コウナゴなどを漁獲する。海岸沿いを国道229号が走る。海岸一帯はニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園をなす。
[瀬川秀良]
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