神谷伝蔵(読み)カミヤ デンゾウ

20世紀日本人名事典 「神谷伝蔵」の解説

神谷 伝蔵
カミヤ デンゾウ

明治期の実業家 牛久シャトー経営者。



生年
明治3年10月11日(1870年)

没年
昭和11(1936)年10月20日

出生地
出羽旅籠町(山形県)

旧姓(旧名)
小林

別名
別名=神谷 伝兵衛(2代目)

経歴
上京して本郷湯島の金原医籍店に勤務したが、やがて神谷伝兵衛の経営するワイン業者神谷酒造に入社。のち働きぶりが認められて伝兵衛の養子となり、その後継者となった。伝兵衛と共に国産ブドウを使用したワイン醸造に取り組み、明治27年フランスへ留学。デュボア商会の所有するボルドーのカルボフラン村醸造所でワイン用ブドウの栽培法・醸造法を研究した。ワイン醸造の修業証を取得したのち、ワイン用ブドウの苗木土壌のサンプル、醸造機械などを携えて31年に帰国。すぐさまブドウの栽培地探しに着手し、はじめ伝兵衛の出身地である三河に候補地を求めるが適切な場所が見つからず、のち茨城県牛久に適地を見いだして栽培を開始。34年牛久産ブドウによるワインの醸造に成功し、36年にはフランスの著名な醸造所をモデルとした本格的醸造設備の牛久シャトーを建設した。のちにはワインのみならずシャンパンも醸造するようになり、できあがった品物各地勧業博覧会などに出品し、高い評価を得た。大正11年伝兵衛の死後、2代目伝兵衛を襲名

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神谷伝蔵」の解説

神谷伝蔵 かみや-でんぞう

1870-1936 明治-昭和時代前期の実業家。
明治3年10月11日生まれ。東京の神谷酒造につとめ,神谷家の養子となり2代目伝兵衛をつぐ。明治27年からフランスのボルドーでワイン製造法をまなぶ。茨城県牛久でブドウを栽培し,36年ワイン醸造所牛久シャトーを建設した。昭和11年10月20日死去。67歳。出羽(でわ)旅籠(はたご)町(山形県)出身。旧姓は小林。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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