神風の(読み)カミカゼノ

デジタル大辞泉 「神風の」の意味・読み・例文・類語

かみかぜ‐の【神風の】

[枕]《古くは「かむかぜの」》「伊勢」にかかる。
「―伊勢の浜荻はまをぎ折りふせて」〈新古今羇旅

かむかぜ‐の【神風の】

[枕]《「かみかぜの」の古形》「伊勢」にかかる。
「―伊勢少女をとめども」〈八一

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「神風の」の意味・読み・例文・類語

かみかぜ‐の【神風の】

地名「伊勢」にかかる。古くは「かむかぜの」。
※新古今(1205)羇旅・九一一「神風の伊勢の浜荻(はまをぎ)折り伏せて旅寝やすらむ荒き浜べに〈よみ人しらず〉」
② 神の縁で、祇園(ぎおん)社のある地名、京都の「八坂(やさか)」にかかる。
※東遊歌拾遺(10C後)六月十五日祇園感神院走馬時東遊「神か世の 八坂の里と 今日よりぞ 君が千歳は はかり始むる」
[補注]中世以降「かみかぜや」となることが多い。また、「新古今」の用例は「万葉‐五〇〇」にも同歌があり、「万葉」の原文「神風之」は「かむかぜの」とよまれている。

かむかぜ‐の【神風の】

地名「伊勢」にかかる。伊勢が皇太神宮のある所であり、風がはげしいからという。一説に、神風の息吹(いぶき)の意で「い」にかかるとも。→かみかぜの
古事記(712)中・歌謡「加牟加是能(カムカゼノ) 伊勢の海の 大石(おひし)に 這ひ廻(もとほ)ろふ」
[補注](1)仙覚の「万葉集註釈」所引「伊勢国風土記」(逸文)には、国つ神の伊勢津彦が天孫に国を献じて大風を起こして去ったので「神風の伊勢の国、常世(とこよ)の浪寄する国」と称したという説話を掲げる。
(2)中世以降は、多く「かみかぜや」の形で用いられる。

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