デジタル大辞泉
「神風の」の意味・読み・例文・類語
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かみかぜ‐の【神風の】
枕
※新古今(1205)羇旅・九一一「
神風の伊勢の
浜荻(はまをぎ)折り伏せて旅寝やすらむ荒き浜べに〈よみ人しらず〉」
② 神の縁で、
祇園(ぎおん)社のある地名、京都の「
八坂(やさか)」にかかる。
※東遊歌拾遺(10C後)六月十五日祇園感神院走馬時東遊「神か世の 八坂の里と 今日よりぞ 君が
千歳は はかり始むる」
[
補注]中世以降「かみかぜや」となることが多い。また、「新古今」の
用例は「
万葉‐五〇〇」にも同歌があり、「万葉」の
原文「神風之」は「かむかぜの」とよまれている。
かむかぜ‐の【神風の】
枕 地名「伊勢」にかかる。伊勢が皇太神宮のある所であり、風がはげしいからという。
一説に、神風の
息吹(いぶき)の意で「い」にかかるとも。→
かみかぜの。
※
古事記(712)中・
歌謡「加牟加是能
(カムカゼノ) 伊勢の海の
大石(おひし)に 這ひ廻
(もとほ)ろふ」
[補注](1)
仙覚の「
万葉集註釈」所引「伊勢国風土記」(
逸文)には、国つ神の伊勢津彦が天孫に国を献じて大風を起こして去ったので「神風の伊勢の国、常世
(とこよ)の浪寄する国」と称したという
説話を掲げる。
(2)中世以降は、多く「かみかぜや」の形で用いられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報