福城寺(読み)ふくじようじ

日本歴史地名大系 「福城寺」の解説

福城寺
ふくじようじ

[現在地名]砥用町甲佐平

甲佐こうさ岳の中腹四二八メートルの地点にある天台宗の寺院で、山号は字地にちなみ亀甲山という。境内は山陵を背にし、本堂仁王門鐘撞堂馬頭観音堂などがある。比叡山延暦えんりやく寺の末寺(「国誌」には同正覚院末寺とある)で、開山は堪西という。開基年代は定かでないが、平安末期、平重盛が再興したと伝える。かつて甲佐岳山中には一六もの寺坊があって、現在も地割や、地蔵坊・西ノ坊・中院坊などの地名も残り、山中には古い墓石も点在する。

福城寺
ふくじようじ

[現在地名]岩国市大字大山 ほおのき

臨済宗天龍寺派。南明山と号し、本尊弥勒菩薩

玖珂郡志」には「禅宗永興寺末、請祥庵雲禅師開山、中興開山孤松秀公禅師、本尊弥陀、立三尺、恵心作」とある。この阿弥陀仏は、西福さいふく寺という禅寺廃寺にあったのを、大山おおやま村内の大谷に移して当寺を再興。貞享三年(一六八六)に現在地に移転。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福城寺の言及

【砥用[町]】より

…緑川にかかる霊台橋(重要文化財)は,1847年(弘化4)に築かれた幅4.6m,長さ29.3m,アーチ径間27.5mの石橋で,このほか雄滝亀(おたきかめ)橋や大窪橋などの石橋(水道橋)がある。また北境の甲佐岳の山腹に鎌倉期の木造釈迦如来像(重要文化財)のある古刹福城寺がある。緑川ダム,船津峡は矢部周辺県立自然公園に含まれる。…

※「福城寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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