椎尾八幡宮(読み)しいのおはちまんぐう

日本歴史地名大系 「椎尾八幡宮」の解説

椎尾八幡宮
しいのおはちまんぐう

[現在地名]岩国市大字角

保木ほうき川がにしき川に流入する辺りにできた沖積層に、北から突き出した岡に鎮座する。祭神仲哀天皇・応神天皇・神功皇后。旧郷社。

河内こうち郷二四ヵ村の氏神とされ、社伝によれば大同年間(八〇六―八一〇)豊前国宇佐うさ八幡(現大分県宇佐市)勧請したという。「玖珂郡志」は鎮座地の様子を「青翠枝葉繁ク、前ハ流水漫々タリ、東ハ小津潭ノ深淵ニ神竜栖テ社頭ヲ守護ス、誠ニコレ潔清ノ地也」と記す。神社には暦応三年(一三四〇)九月四日の再建棟札を蔵し、「大願主巌国六郎入道沙弥妙阿」と記される。その後永享一一年(一四三九)、文明一四年(一四八二)、延徳二年(一四九〇)、大永六年(一五二六)など多くの棟札を残すというが(玖珂郡志)、現存するのは大永六年の宝殿造営、永禄元年(一五五八)宝殿、天正四年(一五七六)拝殿など二一枚である(山口県風土誌)


椎尾八幡宮
しいのおはちまんぐう

[現在地名]岩国市岩国四丁目

錦見にしみの北、岩国山麓の椎尾に鎮座。応神天皇・仲哀天皇・神功皇后を祀る。「玖珂郡志」は「正一位椎尾八幡宮」と記す。旧郷社。

寛永三年(一六二六)城下町の氏神として勧請。「玖珂郡志」は由緒として「荒木曾御鎮座本縁」を載せ、天孫降臨の折、猿田彦が岩国山に腰掛けたという話に続けて椎尾のいわれを説く。

祭礼は八月一五日と九月九日で、勧請以来三三年に一度の九月九日には神幸を執行。「御用所日記」また文政(一八一八―三〇)頃の椎尾神社祭礼絵図によると、錦見町の有力者が世話役となり、武家より随兵一〇騎、流鏑馬三頭の寄進があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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