福田郷
ふくだごう
小豆島の東北端に位置する近世の郷。播磨灘に面し、金ヶ崎・藤崎が突出して北に吉田湾、南に福田湾を擁する。嶮岨山系の稜線が北から南へ豆坂・竿ヶ原・水晶山と延びて集落の背後に迫る。同山系に源を発する森庄川・伊豆川・吉田川が北流して比較的水量豊富な沖積平野を形成する。のちの福田村・吉田村を含む地域。
天正二〇年(一五九二)の玉比売神社棟札に「小海郷福田村」とあり、近世初期には小海郷(現土庄町)の一村で、慶長一〇年(一六〇五)片桐且元の検地時も小海郷すなわち北浦組の一村で高一一六石余(小豆島全図)。
福田郷
ふくたごう
「和名抄」高山寺本・流布本ともに「福田」と記し、訓を欠くが、「ふくた」と称していたものであろう。現上田市の西南部、浦野川と湯川の合流点流域の平坦地に福田という集落がある。「日本地理志料」ではこの福田を中心とし、神畑・吉田・小泉・上田原・築地・中之条・下之条・御所・諏訪形・小牧の諸邑をその地とする。「大日本地名辞書」は「今福田あり、小泉と併せ泉田村と云う此歟。されば、往昔浦野・室賀をも此郷内と見るべきごとし」と記す。「小県郡年表」は「東は上田原・保野よりして西は殿戸に至り、南は別所・野倉より塩田川を限りしなるべし」と述べ、「小県郡史」は、「福田を本拠として地勢上浦野川流域地方に当り、現今の川辺の西部、泉田・浦野・青木に及べるものの如し」という。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 