家刻(かこく)本、私家版、自家版、私刻本ともいい、家塾本、私塾本もある。個人や私塾などが営利を目的としないで自費をもって刊行、多くは出版部数も少なく、限られた範囲の人にだけ配付する書物。江戸時代およびそれ以前における、勅版、官版、藩版、寺院版、町版と区別した称。日本の書物では、1364年(正平19・貞治3)に泉州堺(さかい)の道祐(どうゆう)居士の出版した『論語集解』が古く、角倉素庵(すみのくらそあん)の嵯峨(さが)本(角倉本、光悦本)が名高い。絶版を命ぜられた林子平(しへい)の『海国兵談』(1791刊)も私版である。なかには、とくに料紙、印刷、装丁などを吟味した書物もあって珍重される。現在でも個人が自費をもって出版する遺稿集、追悼集、詩歌集、記念文集などがある。
[柴田光彦]
2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...