デジタル大辞泉 「移動性盲腸」の意味・読み・例文・類語 いどうせい‐もうちょう〔‐マウチヤウ〕【移動性盲腸】 盲腸がしっかり固定されておらず、腹腔内で上下左右に動く状態。右下腹部に鈍痛や膨満感がある。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「移動性盲腸」の意味・読み・例文・類語 いどうせい‐もうちょう‥マウチャウ【移動性盲腸】 〘 名詞 〙 盲腸が正常位置より異常に移動することで起きる症状。慢性の右下腹部の痛み、便秘、食欲不振、下痢などがみられる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
家庭医学館 「移動性盲腸」の解説 いどうせいもうちょう【移動性盲腸】 生まれつき、盲腸や上行結腸(じょうこうけっちょう)が正常に固定されていないもので、妊娠や分娩(ぶんべん)を反復すると影響があるといわれていますが、正常な人にもおこります。20~30歳にもっとも多く、ついで11~20歳にみられます。ただし、特定の症状がないことも多く、疾患として扱うべきかどうかは定まっていません。 腸内容の停滞(ていたい)、回盲部(かいもうぶ)の捻転(ねんてん)、自律神経機能の異常などが複雑にかかわり、疼痛(とうつう)、ガス停滞、便秘や下痢(げり)などがみられます。ときに発作性疝痛(ほっさせいせんつう)を訴えることもあります。虫垂炎と似た症状から手術されることも多いのですが、腹膜刺激症状はありません。 腹部はやわらかく、右下腹部に膨満した盲腸を、動いて弾力のある腫瘤(しゅりゅう)として触れます。触れると、軽度の圧痛(あっつう)とグル音があります。右下腹部の圧痛点が仰臥位(ぎょうがい)(あおむけ)と左側臥位(さそくがい)で異なるのが特徴です。大腸(だいちょう)X線検査で確認できます。 治療は、盲腸部のうっ滞(たい)(とどこおり)を避ける食事をとり、規則正しい排便の習慣をつけるようにします。便秘の調節も必要です。 手術は対症的治療が無効な場合に行なわれますが、実施例はほとんどありません。 出典 小学館家庭医学館について 情報