移動通信(読み)いどうつうしん(その他表記)mobile communication

百科事典マイペディア 「移動通信」の意味・わかりやすい解説

移動通信【いどうつうしん】

船舶列車自動車などの移動体同士あるいは移動体と固定基地局との通信で,電波による無線通信が一般的。以前は,タクシー無線やアマチュア無線などのようにトランシーバーによる1移動局同士あるいは1移動局と1基地局との通信が主であったが,その後,移動しながら継続して通話できるように多くの無線基地局を配置したアナログ方式の携帯電話普及した。それらの通信は会話程度であったが,最近ではデジタル携帯電話やPHSが登場し,通話以外にもファクシミリパソコン通信,画像情報などの各種情報まで移動しながら通信できるようになってきた。また外出者に用件を伝えるポケットベルもある。なお,周回衛星を利用した衛星携帯電話は,莫大な投資や料金の高さ,地上波携帯電話との競合などで厳しい局面を迎えている。
→関連項目自動車電話3GUHF

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「移動通信」の意味・わかりやすい解説

移動通信
いどうつうしん
mobile communication

持ち運べる通信機器を使ってコミュニケーションすること。モバイル通信。当初は,航空機,船舶,列車,自動車など移動体との通信をさしたが,携帯電話など小型通信機器の普及で内容が変化した。使用する電波の帯域として,航空機,大洋航行の船舶など遠距離広範囲の通信には主として HF帯が,沿岸航行の船舶,列車,自動車など近距離通信には VHF,UHF帯が多く用いられる。最近では国際航路の航空機,船舶に人工衛星を用いる移動通信が開発され,従来の HF帯に代わって UHFやマイクロ波帯が利用される機運にある。これまでは業務用など専用通信が多かったが,日本では 1994年4月に携帯電話市場の自由化が実施されて以降,一般向けの携帯電話が急増したほか,1995年7月には簡易型携帯電話 PHSサービスも開始され,急速に普及した。音声ばかりではなく,コンピュータや携帯電話でのモバイル情報通信も盛んになっている。

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