移用(読み)イヨウ

関連語 名詞 実例 地下

精選版 日本国語大辞典 「移用」の意味・読み・例文・類語

い‐よう【移用】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 別の所に移して用いること。移入して用いること。
    1. [初出の実例]「顧ふに地下に窖室を造る風は、爽の地、及ひ地代騰貴の場所には、之を移用して、甚た便利を受へし」(出典米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
  3. 財政法上、国の予算の執行にあたりあらかじめ国会の議決を経た場合、財務大臣の承認を得て、歳出予算に定めた各部局などの経費をある部局から他の部局などに融通すること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「移用」の意味・わかりやすい解説

移用
いよう

歳出予算(→予算)や継続費について,あらかじめ国会の議決を経た範囲で,財務大臣の承認を得て,一つの省庁内の組織(部局など)の間,あるいは一つの組織内の項(目的)の間で金額を移動させること(財政法33条1項但書)。歳出予算や継続費は省庁別,組織別,項別に区分されて国会により議決されているため,本来これの変更は認められない。しかし小さな変更であっても補正予算を組まなければならないとすると,行財政の運営の円滑さや効率性を過度にそこなうおそれがあるので,法律または予算総則によって国会が認めた範囲で移用が認められている。

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世界大百科事典(旧版)内の移用の言及

【流用・移用】より

…このような場合に,それが補正予算を組む必要のない軽微なものである際には,国会の議決および法令の許す範囲内において,予算区分相互間で,経費の不足している区分と経費の余っている区分とをそれぞれ融通して経理することがある。これを予算の流用あるいは移用という。予算はそれを所管している部局等の組織別に,あるいはその金額の内容を表す科目(項,目)別に区分してあるが,異なる組織間または異なる項の間の融通が〈移用〉であり,項をさらに細かく区分した目の間のみの融通が〈流用〉である。…

※「移用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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