積善の家には必ず余慶あり(読み)セキゼンノイエニハカナラズヨケイアリ

デジタル大辞泉 の解説

積善せきぜんいえにはかなら余慶よけいあり

《「易経」坤卦から》善行を積み重ねた家は、その報いとして子孫に必ず幸福がおとずれる。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

せきぜん【積善】 の 家(いえ)には必(かなら)ず余慶(よけい)あり

  1. ( 「易経‐坤・文言伝」の「積善之家必有余慶、積不善之家必有余殃」から ) 善行をつみ重ねた家には、必ず思いがけないよい事が起こり、幸福になる。しゃくぜんの家には余慶あり。
    1. [初出の実例]「善悪報応のむなしからぬことは、古人聖賢の通義なり。易に、積善の家にはかならず余慶あり、積不善の家にはかならず余殃ありと」(出典:十善法語(1775)一二)

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故事成語を知る辞典 の解説

積善の家には必ず余慶あり

よい行いは子孫にまでよい影響を与える、ということ。また、よい行いには必ずよい報いがある、ということ。

[使用例] つらつら世間現象を観ずるに、積善の家には余慶あり、積悪の家にはおうあり、もっとも慎むべきはこのなり中里介山大菩薩峠|1913~41]

[由来] 「易経こんぶんげん」の一節から。「積善の家には必ず余慶有り、積悪の家には必ず余殃有り(善行を重ねた家には必ずいいことがあり、悪行を重ねた家には必ず悪いことが起こる)」のあと、世の中の大事件も一気に起こるのではなく、少しずつ原因が積み重なって生じるものだ、と述べています。

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ことわざを知る辞典 の解説

積善の家には必ず余慶あり

善行を多く積み重ねた家には、その報いとして必ず子孫にまでよいことが起こり幸福になる。

[使用例] つらつら世間の現象を観ずるに、積善の家には余慶あり、積悪の家にはおうあり、もっとも慎むべきはこの道なり[中里介山*大菩薩峠|1913~41]

[解説] 「易経―坤」にあることば。「余慶」は、祖先の善行の報いとして子孫が受ける幸福。古くは、「積善」を「しゃくぜん」と読みました。

[類句] 陰徳あれば陽報あり

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