立山寺(読み)りゆうせんじ

日本歴史地名大系 「立山寺」の解説

立山寺
りゆうせんじ

[現在地名]上市町眼目

上市川右岸の段丘上にある。眼目山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来越中観音霊場三五番札所(稿本越の下草)開山は応安三年(一三七〇)大徹宗令によるという。ただし貞享二年寺社由緒書上は永和三年(一三七七)とする。また「摂津名所図会」島下しましも郡の護国ごこく(現大阪府吹田市)の項には、大徹は康暦二年(一三八〇)護国寺を草創したのち「越中の立山に詣で、其風景を愛し寺を建てて立川寺と号し」とみえる。大徹は曹洞宗能登総持寺二世峨山韶碩の高弟五哲の一人とされる。峨山後の総持寺の運営は、応安三年の峨山置文により五院開基の連判状ができ、本寺総持寺の住持職を五院が輪住する制度が行われるようになった。大徹により築かれたのは伝法でんぽう院で、立山寺は大徹の終焉の地でもあってその末派の出世道場として重視された。開山は立山権現の示現によるとされ、山神・竜神が開山師の済度を受け、師の没後は立山神と竜神が開山の墓所に灯明をあげたといわれ、これを竜灯山灯というと伝える(上市町誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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