竹原東野村(読み)たけはらひがしのむら

日本歴史地名大系 「竹原東野村」の解説

竹原東野村
たけはらひがしのむら

[現在地名]竹原市東野ひがしの

下野しもの村の北に位置し、村域主要部は南流する賀茂川の西側を占める。対岸新庄しんじよう村、西は仁賀にか村。賀茂郡に属した。西方仁賀村境にある青田あおだ山・柏野かいの山・有屋ありや山などから流れる青田川・柏野川・有谷ありや川が東流して賀茂川に注ぐ。

村名について「国郡志下調書出帳」に「往古本庄村其後上野村又東村、当時竹原東野村と申候、何ツ之頃より何故ヲ以替り候儀一円相分不申候」とある。この地は寛治四年(一〇九〇)に京都下鴨社に寄進された竹原庄の中心とされた地で、新庄を中心とした都宇つう庄とともに都宇竹原庄とも称されており、「本庄」は新庄を称した都宇庄に対する地名、また「上野」は南の竹原庄内であったと思われる下野に対する地名、東野は西野に対するものであろう。なお竹原庄は正嘉二年(一二五八)小早川茂平の四男政景が領有して竹原小早川家を興すが、その家臣には村域の地名を冠したと思われる者が多く、川井かわい吉近よしちか山田やまだ・柏野(以上小早川家文書)、有谷・礒兼いそかね(以上安楽寺旧記)などが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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