第3次全国総合開発計画(読み)だいさんじぜんこくそうごうかいはつけいかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第3次全国総合開発計画」の意味・わかりやすい解説

第3次全国総合開発計画
だいさんじぜんこくそうごうかいはつけいかく

全総略称。 1977年 11月に閣議決定された全国総合開発計画。国土総合開発計画は 50年の「国土総合開発法」 (昭和 25年法律 205号) 7条に基づき,内閣総理大臣が関係行政機関の長の意見を聞き,国土総合開発審議会の調査,審議を経て作成されるもので,まず全国総合開発計画 (旧全総) が 62年 10月に,新全国総合開発計画 (新全総) が 69年5月に策定され,それを受けてこの第3次計画が作成された。旧全総が都市の過密是正と地域格差の縮小を政策目標として拠点開発方式 (新産業都市として具体化) を打出し,新全総ではこれを一層充実させ,中枢管理機能の集積と物的流通システムの整備をはかるため,各地域の特性を生かした大規模開発プロジェクト (新幹線,高速道路,情報ネットワーク,農業基地建設など) を計画したのに対し,三全総では定住構想が打出された。この策定の背景には資源,エネルギー,環境汚染,減速経済といった内外の環境変化があげられ,同時に都市化 (→アーバニゼーション ) ,情報化,人口の高齢化,高学歴化といった構造変化の進行という事実があった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の第3次全国総合開発計画の言及

【国土総合開発】より

…以下〈国総法〉という)が制定され,それに基づいて設置された国土総合開発審議会(略称,国総審。1979年以後,首都圏整備審議会,近畿圏整備審議会等と統合して国土審議会となる)の意見を聞きながら特定地域総合開発計画(1951地域指定),全国総合開発計画(1962,全総),新全国総合開発計画(1969,新全総),第3次全国総合開発計画(1977,三全総),第4次全国総合開発計画(1987,四全総),第5次全国総合開発計画(1998,五全総)などが,閣議決定されてきた。 国土総合開発計画が国民経済で果たす役割としては,第1に,その計画が掲げる目的に向けて,土地や水の利用,労働力の活用,財政投資のあり方を総合的に調整し進めていくことがあげられる。…

【産業基盤】より

…産業の育成,発展にとって不可欠な施設の総称。産業用地,用水,道路,橋,鉄道,港湾,空港,発電施設などをはじめ,技術開発機関や産業訓練,教育のための機関,病院,保育園などをも含む。 産業基盤は,経済学的な観点からいえば社会資本の一部である。社会資本は企業の生産活動に直接関連する生産資本と区別されるが,機能別には,(1)団地,用水,道路,港湾など生産機能をもつもの,(2)病院,公園,レクリエーション施設など福祉機能をもつもの,(3)治山・治水施設など国土保全機能をもつもの,などに分類できる。…

【地域開発】より

…〈地方の時代〉や〈文化の時代〉といわれるように,人口の地方への定着が始まり,自然や歴史的環境と共存する経済の発展が求められるようになった。政府は1977年第3次全国総合開発計画によって,〈定住圏〉を水系ごとに確立する構想を発表した。これは成長型から福祉型へという重大な転換であったが,必ずしも徹底したものでなく,むつ小川原・志布志などの二全総で計画した巨大産業基地の開発も進めるものであった。…

※「第3次全国総合開発計画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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