デジタル大辞泉 「答える」の意味・読み・例文・類語 こた・える〔こたへる〕【答える】 [動ア下一] [文]こた・ふ[ハ下二]《「応える」と同語源》1 相手からかけられた言葉に対して返事をする。「元気よく、はい、と―・える」2 質問や問題に対して解答を出す。「設問に―・えなさい」[類語]返答・回答・応答・解答・自答・答え・反応・即答・速答・確答・答弁 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「答える」の意味・読み・例文・類語 こた・えるこたへる【答・応・報】 〘 自動詞 ア行下一(ハ下一) 〙 [ 文語形 ]こた・ふ 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 「こと(言)」「あえる(合)」で、言を合わせる意か ) 他からの働きかけに応じる。こたゆ。① ことばをかけられたのに対してこちらからも言う。(イ) 返事する。応答する。うけこたえする。いらう。[初出の実例]「対(コタヘ)て曰(まう)さく、吾(やつがれ)は是(こ)れ国神(くにつかみ)なり」(出典:日本書紀(720)神代上(寛文版訓))(ロ) 質問に対して意見や答えを述べる。回答する。[初出の実例]「白玉かなにぞと人の問ひし時つゆとこたへて消えなましものを」(出典:伊勢物語(10C前)六)(ハ) 提起された問題を解いて結論を出す。解答する。② ひびく。反響する。声と声が互いに応じる。[初出の実例]「打ちわびてよばはん声に山びこのこたへぬ山はあらじとぞ思ふ〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・五三九)③ 他からの作用に対して感応する。(イ) 報(むく)いる。報ずる。[初出の実例]「言として酬(むく)ひざるは無く、徳として報(コタヘ)ざるは無し」(出典:日本書紀(720)顕宗二年八月(寛文版訓))(ロ) 感じて応じる。反応する。通じる。[初出の実例]「天(あめ)も人(ひと)も合応(コタヘ)て、厥の政惟新なり」(出典:日本書紀(720)大化二年三月(北野本訓))(ハ) 心にしみ通る。深く感じる。しみわたる。[初出の実例]「あかつきの嵐にたぐふ鐘の音を心の底にこたへてぞ聞く〈西行〉」(出典:千載和歌集(1187)雑中・一一四九)(ニ) 衝撃を受けて強く感じる。刺激・痛み・苦痛などを強く感じる。利(き)く。[初出の実例]「六こんへこたえて、うづきまするほどに」(出典:虎明本狂言・皸(室町末‐近世初))「唇にこたへる秋やとうからし〈鶏山〉」(出典:俳諧・片歌東風俗(1765))④ 挨拶する。ことわる。告げる。訴える。[初出の実例]「よしたとへ、かけこみたるにもせよ、しさいをつぶさにこたへ、じんじゃうのさたにてこそわたさんすらめ」(出典:浄瑠璃・江州石山寺源氏供養(1676))答えるの語誌( 1 )→「いらう(応)」の語誌。( 2 )室町時代頃からヤ行下二段活用も見られる。→こたゆ(答) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例