箕谷古墳群(読み)みいだにこふんぐん

日本歴史地名大系 「箕谷古墳群」の解説

箕谷古墳群
みいだにこふんぐん

[現在地名]八鹿町小山 箕谷

小山こやま集落の西方にある。付近の八木やぎ川北岸の丘陵には数基を単位とする三つの古墳群が分布する。当古墳群はその最も高所に位置し、他の古墳群が尾根筋に分布するのに対し、谷筋の奥を占める。五基でまとめられているが、一号墳はほかから一〇〇メートル以上も離れて孤立する。昭和五八年(一九八三)・同五九年に調査され、二号墳からは戊辰の紀年銘をもつ鉄刀が発見され、国の史跡に指定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「箕谷古墳群」の解説

みのだにこふんぐん【箕谷古墳群】


兵庫県養父(やぶ)市八鹿町小山(ようかちょうこやま)にある古墳群。但馬地方のほぼ中央に位置し、八木川下流域左岸の丘陵上、標高83~93mの緩斜面に立地する。1983年(昭和58)に発掘調査が行われた結果、2号墳から「戊辰年五月(中)」の銘文のある鉄刀が発見され、一躍有名になった。古墳群は4基の小円墳(2~5号墳で、1号墳はこれらと離れて独立している)からなり、いずれも後世削平をうけて内部主体である横穴式石室が露出していた。各古墳から出土した遺物から、2号墳の築造年代は6世紀末から7世紀初め、3・4号墳は7世紀中ごろ、5号墳は7世紀後半と推定されたが、2号墳だけは7世紀中ごろまでに、少なくとも2回の追葬のあったことが明らかにされており、出土遺物の種類や量が他と比べて多い。2号墳から出土した戊辰年銘大刀も、追葬時の副葬品と考えられており、埼玉県稲荷山古墳から出土した辛亥年銘鉄剣とともに、わが国における古墳時代の刀剣類の編年的研究に欠かすことができないものである。出土した遺物は古墳時代そのものの絶対年代を決定するうえできわめて高い学術的評価を有するとされ、1992年(平成4)に国の史跡に指定された。JR山陰本線八鹿駅から車で約13分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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