算賦(読み)さんぷ(その他表記)Suan-fu

精選版 日本国語大辞典 「算賦」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぷ【算賦】

  1. 〘 名詞 〙 中国の秦漢時代に行なわれた人頭税財産税前者口算後者は貲算(しせん)ともいわれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「算賦」の意味・わかりやすい解説

算賦
さんぷ
Suan-fu

中国,漢代の税。人頭税としての口算 (こうさん) と口銭財産税としての貲算 (しさん) とがある。口算は毎年8月に調査した戸籍に基づいて,15~56歳の成年男女に対して毎年1算 (120銭) を,商人奴婢には倍額を課したもので,国家財政に属した。口銭は3~14歳の男女に毎年 23銭を課し (元帝の時代に7~14歳に改められた) ,帝室財政に属した。これに対して貲算は民に財産を申告させ,1万銭に対して1算を課したもの。武帝の元狩4 (前 119) 年には商工業者に対して特別に算緡 (さんびん) 銭を課し,貲算を重くした。またよう車,船,家畜に対しても貲算が課された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「算賦」の解説

算賦
さんぷ

秦〜漢代に行われた課税。口算(人頭税)と貲算 (しさん) (財産税)がある
口算は成年男女(15〜56歳)から1人につき1算(120銭)を,未成年者(7〜14歳)から1人につき23銭を徴収,貲算は財産所有額1000銭ごとに1算を徴収し,国家宮廷財源にあてられた。徴税額は時代によって異なるが,武帝のときは190銭に増額されたといわれる。

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普及版 字通 「算賦」の読み・字形・画数・意味

【算賦】さんぷ

漢代の壮丁税。

字通「算」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の算賦の言及

【人頭税】より

…【嶋田 襄平】
[中国]
 旧中国の税制は,土地税と専売を2本の柱としたが,古代・中世には人頭税も重要な役割をになった。すなわち秦・漢時代の算賦・口賦と北朝から隋・唐に行われた調の制がそれに当たる。春秋戦国時代を通じて発達した軍役の割当てから物納となった賦が,秦・漢統一帝国では階層を問わず全住民に課されるようになった。…

※「算賦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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