箯輿(読み)アンダ

デジタル大辞泉 「箯輿」の意味・読み・例文・類語

あんだ【箯輿】

《「あみいた(編板)」の音変化という》輿こしの一。長方形の板を台にし、竹や木などで編んだ縁をつけて竹の棒でつるし、罪人負傷者などを運んだもの。あおだ。おうだ。

べん‐よ【××輿】

竹を編んでつくった輿こし。四つ手かご、山かごの類。竹輿たけごし

あお‐だ〔あを‐〕【箯輿】

《「あおた」「あうだ」とも》「あんだ(箯輿)」に同じ。

おうだ〔あうだ〕【箯輿】

あんだ(箯輿)

あうだ【箯輿】

あんだ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「箯輿」の意味・読み・例文・類語

あお‐だあを‥【&JISF777;輿】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あみいた(編板)」が「あうた」を経て変化した語か。「あおた」とも ) 竹や木などを用いて編んだ粗末な釣り輿(ごし)進物の釣り台のように、日覆いがない。編み板。あんだ。あんぽつ。おうた。
    1. 箯輿〈和漢三才図会〉
      箯輿〈和漢三才図会〉
    2. [初出の実例]「我等、今は生きても何かはせん。死なんまで防ぎ矢は射んずるぞ。あをだに舁(か)いて行け」(出典:長門本平家(13C前)一三)

あんだ【&JISF777;輿】

  1. 〘 名詞 〙 ( 編板(あみいた)の変化した語 )
  2. 長方形の板の回りに竹で編んだ縁をつけた手輿(たごし)。罪人、戦死者、負傷者などを運ぶのに用いた。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  3. 左右畳表を垂れた、粗末な駕籠(かご)町駕籠として用いた。
    1. [初出の実例]「町中にて籠あんたに乗候者有之由に候」(出典:徳川禁令考‐前集・第五・巻四九・寛文五年(1665)二月)

べん‐よ【&JISF777;輿】

  1. 〘 名詞 〙 編んだ竹で周囲をかこった輿(こし)。たけごし。
    1. [初出の実例]「獄の中にあるを榜笞刺れてくたびれたほどに箯輿に載てかきだいたぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
    2. [その他の文献]〔漢書‐陳余伝〕

あうた【&JISF777;輿】

  1. あおだ(箯輿)

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世界大百科事典(旧版)内の箯輿の言及

【轎】より

…黄河以南の各地には竹轎が多い。一般名は篼子で,竹輿,竹兜,兜輿,山兜,笋(または筍)輿,箯輿,籃輿,過山轎,轎,竹奴などの異称がある。2人舁きの肩輿である。…

※「箯輿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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