フランスのモラリスト、ラ・ロシュフコーの格言集。通例マキシムMaximesと略称する。1664年初版刊行、以後生前第5版まで改稿・修正を重ねる。人間性の根源にエゴイズムをみるモラリストの格言約600を集めたもの。「偽善とは、悪徳が美徳に対してささげる賛辞である」などはいいえて妙なる表現の巧みさ、「涙のなかには、他人を騙(だま)しおおせたあとあとで、しばしば自分自身をすら欺(あざむ)くものがある」などは人間観察の鋭さを示すもの。「老いる術(すべ)を知る人はほとんどない」、「太陽も死も直視することを得ない」となると、そこにはもう皮肉や警句はなく、ただ人間の限界を冷徹なまでに見つめる目があるばかりである。しかも、この一般論の大家は、「個々の人間を知るよりは人間一般を知ることのほうがたやすい」ことをもわきまえていた。
[山田 ]
『内藤濯訳『箴言と省察』(1983・グラフ社)』
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...