箴言集(読み)シンゲンシュウ(その他表記)Réflexions ou sentences et maximes morales

デジタル大辞泉 「箴言集」の意味・読み・例文・類語

しんげんしゅう〔シンゲンシフ〕【箴言集】

原題、〈フランスMaximesラ=ロシュフーコー著作。サロン文化を通じて生み出された格言集。1665年に匿名刊行、その後、省察数編を追加して1678年に決定版を刊行。モラリスト文学の代表的作品

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「箴言集」の意味・わかりやすい解説

箴言集
しんげんしゅう
Réflexions ou sentences et maximes morales

フランスのモラリスト、ラ・ロシュフコーの格言集。通例マキシムMaximesと略称する。1664年初版刊行、以後生前第5版まで改稿・修正を重ねる。人間性の根源エゴイズムをみるモラリストの格言約600を集めたもの。「偽善とは、悪徳美徳に対してささげる賛辞である」などはいいえて妙なる表現の巧みさ、「涙のなかには、他人を騙(だま)しおおせたあとあとで、しばしば自分自身をすら欺(あざむ)くものがある」などは人間観察の鋭さを示すもの。「老いる術(すべ)を知る人はほとんどない」、「太陽も死も直視することを得ない」となると、そこにはもう皮肉や警句はなく、ただ人間の限界を冷徹なまでに見つめる目があるばかりである。しかも、この一般論の大家は、「個々の人間を知るよりは人間一般を知ることのほうがたやすい」ことをもわきまえていた。

山田 

『内藤濯訳『箴言と省察』(1983・グラフ社)』

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