日本大百科全書(ニッポニカ) 「粘着テープ」の意味・わかりやすい解説
粘着テープ
ねんちゃくてーぷ
テープの片面あるいは両面に接着剤を塗布したもの。接着テープともいう。1930年ごろにアメリカのリチャード・ドルーが発明したが、日本では47年(昭和22)にGHQ(連合国最高司令部)の要請により、初めて日絆(にちばん)薬品株式会社が国産品をつくってから一般に普及した。一般には、セロファンテープというが、同社の商標が「セロテープ」であるところから、その名称が一般的になった。任意の長さに切り取って簡単に貼(は)ることができるので、書類や帳簿などの修理、補強のほかに、包装用や電気絶縁のための工業用などにも広く使われている。
用途に応じて各種サイズのものがあるが、大別して透明と不透明のものがある。一般的な透明粘着テープには、セロファンや合成樹脂をベースにしたもの、マット仕上げのもの(通称メンディング・テープ)、両面に接着剤を塗布したもの(両面粘着テープ)、包装用シールなどに用いる表面に印刷を施したもの(着色粘着テープ)などがある。不透明なものには、防水、防湿、絶縁性に優れたビニル粘着テープ、和紙やクラフト紙などをベースにした紙粘着テープ、じょうぶな布テープ、その他、紙や布でつくったガムテープなどがある。
[野沢松男]