硬膏剤の一種で、日本薬局方によると、精選したゴム、樹脂類、酸化亜鉛およびその他の物質を練り合わせ、粘着物質とし、布に均等に延べて製したもの、と規定されている。これは亜鉛華ゴム絆創膏とよばれたもので、需要の多様化に伴い改良品がいろいろつくられている。すなわち、手切れ性をよくした紙絆創膏やセロファンテープ、不織布・ポリウレタン弾性布・強撚綿糸(きょうねんめんし)を用いた伸縮性絆創膏、消毒ガーゼ付きの救急絆創膏やマーキュロ絆創膏などがあり、それぞれ適当な長さや幅に切って固定、圧迫、支持、牽引(けんいん)、被覆などに用いる。たとえば、外科用ガーゼ類の固定をはじめ、捻挫(ねんざ)・骨折・脱臼(だっきゅう)の一時固定、臍(さい)ヘルニアの圧迫パッドの固定、創口(きずぐち)の密着固定(皮膚縫合絆創膏)のほか、絆創膏牽引(介達(かいたつ)牽引法)や点滴・静脈注射などのカテーテル・翼状針の固定・支持などがある。これらは絆創膏包帯に含まれる。
使用の際には、局所の脂肪をベンジン綿で拭(ふ)き取り、有毛部は剃毛(ていもう)してから用いると、よく付着する。長期間使用する場合は、テストをして種類を選ばないと、かぶれや水疱(すいほう)を生じることがある。絆創膏包帯では空気の流通が悪く、汗腺(かんせん)をふさいでかぶれをおこしやすいので、創面などへの直接使用は厳禁である。近年は、通気性をもたせた改良品も普及している。
また、剥(は)がすときはベンジン綿で浸しながら皮膚を引っ張らないように剥ぎ、剥いだあともベンジン綿できれいに拭き取っておく。
[幸保文治・山根信子]
紙,布またはプラスチック膜の片面に粘着性の基剤を塗布した細長いテープで,傷口の接合,圧迫,ガーゼの固定,関節の固定などに用いられる。皮膚に対する刺激性が少ないので貼付してもかぶれにくく,かつ粘着力が強いので体動などで生ずる張力に抗することができる。通常通気性がなく,貼付した部分が蒸れることが多いが,プラスチック膜に小さな孔を開けて通気性をよくしたものもある。傷口の接合用には,あらかじめ滅菌されたプラスチック製のものがあり,圧迫用には伸縮性のある布製のものもある。また消毒ガーゼが組み合わされていて,小さな創面にそのまま貼付できる型のものもある。
執筆者:小野 美貴子
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