絆創膏(読み)バンソウコウ

デジタル大辞泉 「絆創膏」の意味・読み・例文・類語

ばんそう‐こう〔バンサウカウ〕【×絆創×膏】

硬膏を布などに塗ったもの。消毒ガーゼ付きのものもある。傷口を覆ったり、包帯がずれないようにしたり、あるいは捻挫ねんざ部位固定させたりするのに使う。

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精選版 日本国語大辞典 「絆創膏」の意味・読み・例文・類語

ばんそう‐こうバンサウカウ【絆創膏】

  1. 〘 名詞 〙 テープ状の布の裏に生ゴム、樹脂、亜鉛華などを練り合わせた粘性物質をひきのばして塗ったもの。傷口の被覆、ガーゼの固定などに用いる。消毒ガーゼ付きのものもある。〔医語類聚(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「絆創膏」の意味・わかりやすい解説

絆創膏
ばんそうこう

硬膏剤の一種で、日本薬局方によると、精選したゴム、樹脂類、酸化亜鉛およびその他の物質を練り合わせ、粘着物質とし、布に均等に延べて製したもの、と規定されている。これは亜鉛華ゴム絆創膏とよばれたもので、需要の多様化に伴い改良品がいろいろつくられている。すなわち、手切れ性をよくした紙絆創膏やセロファンテープ、不織布・ポリウレタン弾性布・強撚綿糸(きょうねんめんし)を用いた伸縮性絆創膏、消毒ガーゼ付きの救急絆創膏やマーキュロ絆創膏などがあり、それぞれ適当な長さや幅に切って固定、圧迫、支持、牽引(けんいん)、被覆などに用いる。たとえば、外科用ガーゼ類の固定をはじめ、捻挫(ねんざ)・骨折・脱臼(だっきゅう)の一時固定、臍(さい)ヘルニアの圧迫パッドの固定、創口(きずぐち)の密着固定(皮膚縫合絆創膏)のほか、絆創膏牽引(介達(かいたつ)牽引法)や点滴・静脈注射などのカテーテル・翼状針の固定・支持などがある。これらは絆創膏包帯に含まれる。

 使用の際には、局所の脂肪をベンジン綿で拭(ふ)き取り、有毛部は剃毛(ていもう)してから用いると、よく付着する。長期間使用する場合は、テストをして種類を選ばないと、かぶれや水疱(すいほう)を生じることがある。絆創膏包帯では空気の流通が悪く、汗腺(かんせん)をふさいでかぶれをおこしやすいので、創面などへの直接使用は厳禁である。近年は、通気性をもたせた改良品も普及している。

 また、剥(は)がすときはベンジン綿で浸しながら皮膚を引っ張らないように剥ぎ、剥いだあともベンジン綿できれいに拭き取っておく。

[幸保文治・山根信子]

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改訂新版 世界大百科事典 「絆創膏」の意味・わかりやすい解説

絆創膏 (ばんそうこう)
adhesive plaster
adhesive tape

紙,布またはプラスチック膜の片面に粘着性の基剤を塗布した細長いテープで,傷口の接合,圧迫,ガーゼの固定,関節の固定などに用いられる。皮膚に対する刺激性が少ないので貼付してもかぶれにくく,かつ粘着力が強いので体動などで生ずる張力に抗することができる。通常通気性がなく,貼付した部分が蒸れることが多いが,プラスチック膜に小さな孔を開けて通気性をよくしたものもある。傷口の接合用には,あらかじめ滅菌されたプラスチック製のものがあり,圧迫用には伸縮性のある布製のものもある。また消毒ガーゼが組み合わされていて,小さな創面にそのまま貼付できる型のものもある。
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百科事典マイペディア 「絆創膏」の意味・わかりやすい解説

絆創膏【ばんそうこう】

硬膏の一種。精選した生ゴム,樹脂類などの基剤に,酸化亜鉛その他の医薬品を練り合わせて粘着性物質とし,それを布や紙に均等に延べて製する。ふつう収斂(しゅうれん)・防腐の目的で小創傷に適用。また傷面の接合や捻挫(ねんざ)部位の固定,包帯・ガーゼの固定などにも用いる。
→関連項目硬膏粘着テープ包帯

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絆創膏」の意味・わかりやすい解説

絆創膏
ばんそうこう

ゴム,樹脂類,酸化亜鉛などを練合せて粘着性物質とし,これを布,不織布,紙,フィルムなどに塗りつけて粘着性をもたせ,皮膚,傷口,包帯,ガーゼなどに張って,創傷の接着,保護,包帯やガーゼの固定に用いる衛生材料。最近ではスポーツ選手の外傷治療や予防の目的で包帯状の絆創膏を用い,関節の固定をはかるテーピングが盛んである。適当な粘着性をもち,しかもかぶれないことが必要である。歴史的には約 2000年前からギリシアで豚脂,酸化鉛,植物樹脂などを用いたものが使われていたという。

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