紅簾片岩(読み)こうれんへんがん(英語表記)piemontite schist

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紅簾片岩
こうれんへんがん
piemontite schist

紅簾(こうれん)石を含み、曹長(そうちょう)石、白雲母(しろうんも)、方解石、赤鉄鉱、石英などを主成分とする珪(けい)質の結晶片岩。1887年(明治20)に小藤文次郎(ことうぶんじろう)が、日本の三波川(さんばがわ)変成岩の中に、世界で初めて紅簾片岩を発見、報告した。この岩石は、紅簾石のため淡紅色ないし濃紅色を呈し、肉眼でみたときにたいへん美しい。一方、片理(へんり)と劈開(へきかい)が顕著で、平滑な板状に割れやすい。そのため、切り出されて建築の飾り張石として広く用いられている。日本ではほかに三郡(さんぐん)変成岩や丹沢(たんざわ)山地の変成岩の中にも知られている。また、同じような岩石は、ニュージーランド南島やアメリカ・カリフォルニアのフランシスカン変成帯からもみいだされている。[橋本光男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こうれん‐へんがん【紅簾片岩】

〘名〙 紅簾石を主成分とし、石英、緑簾石、白雲母、曹長石、ざくろ石などを含む結晶片岩。暗紫色または桃紅色。三波川系の結晶片岩中に見出される。稀少で秩父親鼻橋下のものは有名。〔日本風景論(1894)〕

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