緑簾石(りょくれんせき)グループの鉱物。柱状結晶の集合ないし単独粒状をなす。マンガン分に富む珪(けい)質岩起源の広域変成岩(いわゆる紅簾片岩)中に産し、白雲母(しろうんも)、満礬(まんばん)ざくろ石、ブラウン鉱などを伴う。埼玉県長瀞(ながとろ)、長崎県村松など日本での産地は多い。ほかに変質した火山岩中に産する。紅簾石を含む結晶片岩は薄く板状になりやすく、色も美しいため石材として利用される。英名は産地イタリアのピエモンテPiemonteにちなんで命名された。
[松原 聰]
piemontite
化学組成Ca2 Al2Mn3+(Si2O7)(SiO4)O(OH) 緑れん石上族,緑れん石族の一種。単斜晶系,空間群P21/m, 格子定数a0.884nm, b0.566, c1.015, β115°42′,単位格子中2分子含む。b軸の方向にのびた柱状結晶。淡桃~濃紅色。多色性X黄色,Z紅,光学性正,光軸面(010)に平行,c∧X3°~6°,屈折率α1.732~1.794, β1.750~1.807, γ1.762~1.829, 2V64°~85°。低変成度の結晶片岩地域に珪質の紅れん石片岩があるほかに,火山岩の初生変質を受けた部分やペグマタイト,マンガン鉱床にも産することがある。
執筆者:岩崎 正夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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