紅簾石(読み)こうれんせき(英語表記)piedmontite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

紅簾石
こうれんせき
piedmontite

緑簾石族に属する鉱物。 Ca2(Al,Fe3+,Mn3+)3Si3O12(OH) 。単斜晶系。劈開{001}に完全。硬度 6.5,比重 3.4~3.5。淡紅色,ガラス光沢。緑簾石一続き固溶体系列をなしていて,近似的に Ca2Al2Fe3+Si3O12(OH)-CaAl2Mn3+Si3O12(OH) 系列の固溶体と考えることができる。一般には,アルミニウム:鉄(III):マンガン(III)は3:2:1程度。日本やニュージーランドで,藍閃石片岩緑色片岩相などの低温の結晶片岩中にしばしば特徴的な紅簾石片をつくって出現する。埼玉県秩父郡長瀞の荒川河岸は紅簾石の産地として名高い。ペグマタイト火成岩の初生変質を受けた部分,変成マンガン鉱床などにも産出する。低温で生成したものはマンガンの含量が少い。

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大辞林 第三版の解説

こうれんせき【紅簾石】

緑簾石に類似した鉱物で、マンガンを多く含む。暗紅色のガラス光沢がある。単斜晶系に属し、短柱状をなす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紅簾石
こうれんせき
piemontite

緑簾(りょくれん)石グループの鉱物。柱状結晶の集合ないし単独粒状をなす。マンガン分に富む珪(けい)質岩起源の広域変成岩(いわゆる紅簾片岩)中に産し、白雲母(しろうんも)、満礬(まんばん)ざくろ石、ブラウン鉱などを伴う。埼玉県長瀞(ながとろ)、長崎県村松など日本での産地は多い。ほかに変質した火山岩中に産する。紅簾石を含む結晶片岩は薄く板状になりやすく、色も美しいため石材として利用される。英名は産地イタリアのピエモンテPiemonteにちなんで命名された。[松原 聰]

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