紋を装飾模様として用いることは、すでに鎌倉時代から始まる。しかし、それは主として鶴(つる)の丸、鳳凰(ほうおう)の丸、巴(ともえ)など、吉祥的な性格をもった紋を地文風に敷き詰めるか、器物・衣装の要所に配したもので、変化に富んだ各種の紋を自由に散らした紋尽、紋散らしの出現は江戸初期(17世紀初頭)を待たねばならない。こうした紋尽には、実際使われている家紋以外に、華麗な草花、鳥獣、あるいはしゃれた器物を丸紋風に仕立てたものが含まれており、形式や色彩に変化をつけている。やがて江戸中期以後、丸紋はしだいに絵様化し、紋章形式の本来的な抽象性が希薄になり、したがって紋尽のおもしろさも損なわれていった。
[村元雄]
ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...