紙風船(読み)カミフウセン

デジタル大辞泉 「紙風船」の意味・読み・例文・類語

かみ‐ふうせん【紙風船】

花びら形の色紙を、袋状にはり合わせて作った玩具。息を吹き入れて膨らませ、手のひらで打ち上げて遊ぶ。 春》
[補説]作品名別項。→紙風船

かみふうせん【紙風船】[戯曲]

岸田国士戯曲。大正14年(1925)年、「文芸春秋」誌に発表。1幕劇。

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精選版 日本国語大辞典 「紙風船」の意味・読み・例文・類語

かみ‐ふうせん【紙風船】

  1. 〘 名詞 〙 おもちゃ一つ。木の葉形の色紙(いろがみ)を袋状にはぎ合わせて作った玩具。息を吹き入れてふくらまし、空中に手で突きあげて遊ぶ。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「庭の中に、大きな紙風船が転がって来る」(出典:紙風船(1925)〈岸田国士〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「紙風船」の意味・わかりやすい解説

紙風船
かみふうせん

岸田国士(きしだくにお)の一幕戯曲。1925年(大正14)『文芸春秋』5月号に発表。翌年5月に青い鳥劇団が築地(つきじ)小劇場で初演。結婚後1年の平凡な若夫婦日曜日であるが、どうしようもなく退屈である。そこで2人は思いきりぜいたくな旅行の空想遊戯にふける。ふと現実を意識するとき、互いに心の空白を感じないではいられない。「日曜日はおそろしい」。2人の心の不安は、隣の家から舞い込んできた紙風船を突き合うことによって解消するかのように幕が下りる。巧妙な対話させる術によって、繊細な男女心理を描いているだけでなく、豊かな舞台的イメージによって、独自の劇的空間をつくっている。この作者が主張する演劇論の実践的作品の一つ。

[加藤新吉]

『『岸田国士全集1』(1954・新潮社)』

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世界大百科事典(旧版)内の紙風船の言及

【風船】より

…ゴム地に絵や文字を彩色する方法も開発されて海外にも輸出され,スポーツ行事や商店の売り出しサービス用などにも利用される。紙風船は花びら片の色紙をはり合わせた球で,吹口の小穴から息を吹きこんでふくらませる。1891~92年ごろから流行した。…

※「紙風船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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