岸田国士(きしだくにお)の一幕戯曲。1925年(大正14)『文芸春秋』5月号に発表。翌年5月に青い鳥劇団が築地(つきじ)小劇場で初演。結婚後1年の平凡な若夫婦、日曜日であるが、どうしようもなく退屈である。そこで2人は思いきりぜいたくな旅行の空想の遊戯にふける。ふと現実を意識するとき、互いに心の空白を感じないではいられない。「日曜日はおそろしい」。2人の心の不安は、隣の家から舞い込んできた紙風船を突き合うことによって解消するかのように幕が下りる。巧妙な対話させる術によって、繊細な男女の心理を描いているだけでなく、豊かな舞台的イメージによって、独自の劇的空間をつくっている。この作者が主張する演劇論の実践的作品の一つ。
[加藤新吉]
『『岸田国士全集1』(1954・新潮社)』
…ゴム地に絵や文字を彩色する方法も開発されて海外にも輸出され,スポーツ行事や商店の売り出しサービス用などにも利用される。紙風船は花びら片の色紙をはり合わせた球で,吹口の小穴から息を吹きこんでふくらませる。1891~92年ごろから流行した。…
※「紙風船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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