紛紜(読み)ふんうん

精選版 日本国語大辞典 「紛紜」の意味・読み・例文・類語

ふん‐うん【紛紜】

[1] 〘形動ナリ・タリ〙
① 入り乱れているさま。ことがもつれるさま。
懐風藻(751)葛野王伝「謀日嗣。時群臣各挟私好。衆議紛紜」
佳人之奇遇(1885‐97)〈東海散士〉八「全欧人心紛紜として麻の如く」 〔楚辞‐九歎・遠逝
② 多いさま。盛んなさま。
※篁園全集(1844)一・五荘行「一自政綱解紐維、百戦紛紜冑生蟣」 〔司馬相如‐難蜀父老〕
[2] 〘名〙 もめごと。紛擾
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三「近年政府と、羅馬法王との間に、不和を生し、〈略〉其粉紜未だ已まず」 〔古詩‐為焦仲卿妻作詩〕

ふん‐ぬん ‥ウン【紛紜】

〘名〙 「ふんうん(紛紜)」の連声。〔漢語便覧(1871)〕

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デジタル大辞泉 「紛紜」の意味・読み・例文・類語

ふん‐うん【紛×紜】

連声れんじょうで「ふんぬん」とも》
[名](スル)物事の入り乱れていること。事がもつれること。また、その乱れ。もめごと。ごたごた。
「徒らに事件を―させとる愚な芝居だと」〈滝井無限抱擁
[ト・タル][文][形動タリ]物事が入り乱れるさま。
「全欧の人心―として麻の如く」〈東海散士佳人之奇遇
[形動ナリ]に同じ。
「―なる正当なり」〈正法眼蔵・夢中説夢〉

ふん‐ぬん〔‐ウン〕【紛×紜】

ふんうん」の連声れんじょう
「壮士間に―を生じ」〈福田英子・妾の半生涯〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「紛紜」の読み・字形・画数・意味

【紛紜】ふんうん

盛んにして乱れるさま。魏・曹植〔七啓〕九(きうりう)の冕(べん)は、(ひかり)を散じてを垂れ 組の纓(えい)は、風に從ひて紜たり

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