素気無(読み)すげない

精選版 日本国語大辞典 「素気無」の意味・読み・例文・類語

すげ‐な・い【素気無】

〘形口〙 すげな・し 〘形ク〙
愛想がない。つれない。そっけない。思いやりがない。薄情である。冷淡である。
大和(947‐957頃)一六八「親聞きつけて、男をも女をもすげなくいみじういひて」
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)八「せっかくおめへきなさったものを、まんざらすげなくもしられめへ」
② あまり美しくない。
日葡辞書(1603‐04)「Suguenai(スゲナイ) キ〈訳〉あまり優美でない樹木
[補注]中古では、「すげなく(う)」と連用修飾に用いる例が多い。「すげ」を「素気」とするならば、「飾り気のないままの気持」あるいは「そらぞらしい気持」の両方にとることができよう。前者であれば、その場合、「なし」は顕著である意を表わす「甚し」に通じることになる。憂鬱である意を表わす「すかなし(すがなし)」に対応する仮名文学用語とされることもあるが、明らかではない。
すげな‐げ
〘形動〙
すげな‐さ
〘名〙

そっけ‐な・い【素気無】

〘形口〙 そっけな・し 〘形ク〙 ことば態度に、相手に対する好意や思いやりがない。あいそがない。冷淡だ。すげない。また、ものの様子雰囲気などに飾り気やあたたかみがない。
※玉塵抄(1563)三二「冲のをさなうて、そっけなう刀を以て吾きるものを、きりぬい、穴をあけられたぞ」
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉二〇「『昼寝をするんだから帰ってお呉れ』とそっけなく云れ」
そっけな‐さ
〘名〙

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