経営合理化(読み)けいえいごうりか(その他表記)Betriebsrationalisierung ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「経営合理化」の意味・わかりやすい解説

経営合理化
けいえいごうりか
Betriebsrationalisierung ドイツ語

広狭二義がある。広義の経営合理化とは、在来の状態を合理的な方向に改善し、経営目的の達成度を高めるためのあらゆる努力を総称する。これに対して、狭義の経営合理化は、資本主義企業において行われる目的達成努力の改善をいい、歴史的・伝統的には、狭義の概念が一般的であった。その内容は、利潤追求目的を第一義としたため、労働強化、人間疎外、解雇を招くものが多かったため、経営合理化をこれらと同一視し、非難する風潮が生じた。しかし、労働の強化や非人間化による労働者側の反発は、終局的には企業自体の存続に背反するとの企業観が普及し、企業自体も利潤追求単一目的を修正するに至って、労働者の利害を内包した広義の経営合理化の概念が一般化するようになってきた。

 経営合理化は、対外的合理化と対内的合理化に二分される。対外的合理化は、市場開拓、流通システムの改善、製品構成の変更、立地政策、公害対策などの形で進められるが、そのねらいは、各種環境主体と円滑な相互関係をもつことにある。対内的合理化は、生産機能的な経営技術的システムの合理化と、人間関係的な経営社会的システムの合理化とからなる。前者は、生産能率の上昇をねらいとし、生産の設備・方法・システムについて改善する。後者は、生産意欲の向上をねらいとし、福利厚生拡大情報決定への参加の拡大、成果分配の改善などをいう。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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