結び目理論(読み)むすびめりろん(その他表記)knot theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「結び目理論」の意味・わかりやすい解説

結び目理論
むすびめりろん
knot theory

ひもが 3次元空間でとる配置を研究対象とする位相幾何学(→トポロジー)の一分野。空間内でのひもの連続的変形での不変量結び目不変量)を見出し,結び目を分類することが基本となる。ドイツの数学者カルル・フリードリヒガウスによる電流回路の研究がこの分野の最初期にあたり,1928年にアメリカ合衆国の数学者ジェームズ・W.アレクサンダー多項式で表現される結び目不変量を与えたことから研究が進んだ。1980年代以降,より強力な結び目多項式が発見されている。また日本の物理学者らによって,ソリトン理論の延長上にある量子力学統計力学の厳密に解ける模型の研究から,新しい結び目理論の構成が実現された。近年はデオキシリボ核酸 DNAのからみ合いの研究への応用も注目されている。

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百科事典マイペディア 「結び目理論」の意味・わかりやすい解説

結び目理論【むすびめりろん】

空間の中にある自分自身と交わっていない閉じたひもを結び目といい,共通点を持たないいくつかの結び目の集まりを絡み目というが,こうした結び目・絡み目を数学的に扱う理論が結び目理論である。結び目理論は結び目・絡み目を研究の対象とする位相幾何学の一分野であり,V.F.R.ジョーンズによる新しい不変量発見もあって,活発に研究されている。
→関連項目アルティン

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