結城信一(読み)ユウキ シンイチ

20世紀日本人名事典 「結城信一」の解説

結城 信一
ユウキ シンイチ

昭和期の小説家 国語問題協議会評議員。



生年
大正5(1916)年3月6日

没年
昭和59(1984)年10月26日

出生地
東京

学歴〔年〕
早稲田大学文学部英文科〔昭和14年〕卒

主な受賞名〔年〕
日本文学大賞(第12回)〔昭和55年〕「空の細道

経歴
会津八一らに師事国際学友会の日本語学校の教師などを経て、昭和23年「秋祭」で文壇に登場。26年「蛍草」が芥川賞候補となり、第三の新人の一人とみなされる。寡作で地味だが、清澄な作風で、老人と少女の交流を描いた「空の細道」で第12回日本文学大賞を受賞。ほかに「鶴の書」「鎮魂曲」「夜の鐘」などがある。平成12年「結城信一全集」(全3巻 未知谷)が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「結城信一」の意味・わかりやすい解説

結城信一
ゆうきしんいち
(1916―1984)

小説家。東京生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。1946年(昭和21)『象徴』を編集、発行。47年、同誌に発表した『復興祭』などによって、その細やかな叙情性が認められ、文壇に登場。やがて「第三の新人」の一人に数えられた。『青い水』(1955)に始まる作品集に『鎮魂曲』(1967)、『夜の鐘』(1971)ほかがあり、老境渇望連作とした『空の細道』(1980)、秋艸(しゅうそう)道人会津八一の境涯を克明に描き出した『石榴抄(せきりゅうしょう)』(1981)も評価された。

保昌正夫

『『空の細道』(1980・河出書房新社)』『『石榴抄』(1981・新潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「結城信一」の解説

結城信一 ゆうき-しんいち

1916-1984 昭和時代後期の小説家。
大正5年3月6日生まれ。松島栄一季刊誌「象徴」の編集にあたり,昭和22年同誌に発表した短編「復興祭」でみとめられる。「蛍草」などをあらわして第三の新人のひとりにかぞえられた。昭和59年10月26日死去。68歳。東京出身。早大卒。作品はほかに「鶴の書」「空の細道」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「結城信一」の解説

結城 信一 (ゆうき しんいち)

生年月日:1916年3月6日
昭和時代の小説家
1984年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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