六訂版 家庭医学大全科 の解説
結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎
けっせつせいたはつどうみゃくえん・けんびきょうてきたはつけっかんえん
Polyarteritis nodosa (PN), Microscopic polyangitis (MPA)
(膠原病と原因不明の全身疾患)
どんな病気か
結節性多発動脈炎(PN)は、主に中等度の太さ(中型)の動脈の動脈壁に炎症が生じる病気です。全身の諸臓器に分布する血管に動脈炎が生じるため、多様な症状を示します。
新しく顕微鏡的多発血管炎(MPA)が分類されたことから、一般に抗
原因は何か
原因はわかりません。男性にやや多く、MPAは高齢者に多く認められます。ウイルス感染や大気汚染などが考えられています。
症状の現れ方
cPN・MPAともに高熱(38℃以上)、体重の減少、関節痛、
検査と診断
ANCAの検索、皮膚・筋肉などの生検、血管造影が診断に重要です。区別すべき病気は、他の血管炎および膠原病です。
治療の方法
cPN・MPAともに入院し、大量のステロイドで治療を開始し、以後、薬の量を減らしていきます。同時に免疫抑制薬のシクロホスファミド(エンドキサン)を約6カ月間服用します。腎不全時には、血液
cPN・MPAともに診断6カ月未満の死亡率が高くなっています。10年間の死亡率は研究班の報告ではそれぞれ52%、41%で、予後は決してよいとはいえません。感染症、肺出血、腎不全が主な死亡原因です。
病気に気づいたらどうする
生命や臓器不全の危険性があるので、専門医の意見を聞き、入院治療を受けることが重要です。早期診断・早期治療が望まれます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報