列車の運転や線路の保守の必要から、線路沿いに設置される標識。JRでは線路諸標設備基準規程によって定めている。
(1)距離標 起点からの線路延長を示す標。甲号は1キロメートルごとに起点からのキロ数を白地に黒で示し、乙号は甲号の中間に1/2をつけて立てる。
(2)勾配(こうばい)標 勾配の変化する地点に、腕木を線路と直角に立てる。2本の腕木のうち手前、表が見える腕木が上向きなら上り勾配、下向きなら下り勾配になることを示し、白地に黒で書かれた数字は千分比の分子を表す。
(3)曲線標 直線や緩和曲線と内曲線の連接点に甲号、曲線の半径が異なる連接点に乙号を立てる。表に白地に黒で曲線の半径のメートル数を、裏にはカントとスラックをミリメートルで表示する。
(4)逓減(ていげん)標 曲線部で外側のレールが内側より高くなり始める地点に立てる。
(5)量雪標 降雪標は降雪量を、積雪標は積雪量を測定するために設置される。
(7)雪かき車警標 雪かき車の乗務員に、雪かき車の翼などの使用禁止区域を指示する標。
これらの標は一定の形状で、定められた位置に設置されるが、トンネル内、橋梁(きょうりょう)上、豪雪地区では、特殊な構造や形状のものを用いるか、側壁などに記入することもある。
[松澤正二]
『柴田元良著『鉄道工学』(1971・コロナ社)』
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