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緩和ケア かんわけあ

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知恵蔵の解説

緩和ケア

苦痛をやわらげることを目的に行われる医療的ケアホスピスケアともいう。WHO(世界保健機構)は、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな(霊的な、魂の)問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善するためのアプローチ」(特定非営利活動法人日本ホスピス緩和ケア協会訳)と定義している。
対象とされる身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛を合わせて全人的苦痛といい、これらに対処するために、複数の専門職がチームをつくって互いに情報を共有し連携しながら、患者と家族の療養生活をサポートしていく。緩和ケアチームを構成する専門職として例えば、疼痛(とうつう)管理を行う緩和ケア医や、精神症状に対応する腫瘍(しゅよう)精神科医などの医師、緩和ケアを専門に学んだ認定看護師、医療ソーシャルワーカー管理栄養士薬剤師理学療法士作業療法士臨床心理士、宗教者などがある。
始まりは、1967年にシシリー・ソンダースがイギリスセントクリストファー病院で末期の患者を対象に開設したホスピス病棟とされている。日本では、81年に静岡県の聖隷三方原病院にホスピス病床ができ、その後、全国に広まった。2008年4月の調査によれば、全国に緩和ケア病棟整備施設は181施設あり、合わせて3468床となっている(特定非営利活動法人日本ホスピス緩和ケア協会)。
本来はどのような疾病に対してもあてはまるケアだが、日本で診療報酬が認められているのは、がんとエイズのみ。緩和ケア病棟の入院料は定額制で、1日の自己負担額は3割負担の場合で、1万1340円となっている。(いずれも10年9月現在)
なお、がん対策基本法に基づいて07年に策定された「がん対策推進基本計画」の中に、治療の初期段階から緩和ケアを導入することや、在宅療養者にも十分な緩和ケアが実施できる体制を整備することなどが盛り込まれた。

(石川れい子  ライター / 2010年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

緩和ケア

がん患者の身体的・精神的な苦痛を和らげ、患者の療養生活の質を高める取り組み。専門性を備えた緩和ケア認定看護師は現場で、患者や家族をサポートしたり、スタッフを指導したりすることが期待される。県内の認定者数は23人。岩手医大病院は2012年6月、東北で唯一となる緩和ケア認定看護師教育課程を開講。受講者は8カ月の研修を受けた後、試験を受ける。現在、7道県の17人が学んでいる。

(2013-10-11 朝日新聞 朝刊 岩手全県 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

かんわ‐ケア〔クワンワ‐〕【緩和ケア】

palliative care》完全な治癒の望めない患者に対し、生命の持続よりも、その身体的痛みや精神的苦痛を取り除くことに重点をおいた介護・看護。末期癌(がん)患者などに対して行われる。緩和医療。
[補説]近ごろでは末期患者の心のケアだけでなく、癌などの告知で受けるショックや不安への対応などもケアの対象とされるようになってきている。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

緩和ケア【かんわケア】

(がん)患者の治療に際して,延命をはかるための治療のみならず,個人の痛み,不眠などの症状に対してきめ細かく対応することによって,快適さを保とうとする考え方。WHO(世界保健機関)の専門委員会報告では,治療目的の医療と緩和ケアを並行して行うことを提案している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

かんわケア【緩和ケア】

がん患者の治療などに際し、治癒を目的にするだけではなく、モルヒネで痛みを緩和するなど、痛みや苦しみをやわらげるための対応を行うこと。緩和医療。パリアティブ-ケア。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

緩和ケア
かんわけあ
palliative care

生命を脅かす病気をかかえる患者とその家族に対し、痛みの緩和や、不安などの心理的・精神的苦痛および社会的問題を取り除くことを目的に、人の自由と尊厳を重視して行われる患者中心の全人的な援助。かつては、治療による回復が望めなくなった終末期にある癌(がん)患者や、その家族が対象であった。しかし近年では、治療初期の段階からかかわり、癌告知時点でのインフォームド・コンセントや、治療・延命処置中も含めて、身体的苦痛や心理的・精神的苦痛、社会的問題に積極的に対処する包括的アプローチに変化してきている。歴史的には、キリスト教的人道主義に根ざしたホスピスケアhospice careの考え方を受け継ぎ、1970年代にカナダで提唱されたとされている。末期癌患者などが最後まで尊厳をもって安楽に充実した自分らしい人生を送れるよう援助するもので、クオリティ・オブ・ライフの重視という考えに根ざしている。緩和ケアは医師・看護師だけでなく、宗教家も含め心理・社会学などの専門家とボランティアらで構成されるチームがサービスを展開するが、緩和ケア病棟を整備して、チームが一体となって緩和ケアに取り組む病院も増えてきている。世界保健機関(WHO)も癌の痛みに対する包括的な医療の重要性を強調し、病気の早い段階からのアプローチを提唱している。
 日本では1996年(平成8)に日本緩和医療学会が発足し、緩和医療の充実に向けた研究と実践を目ざして活動し、普及啓発にも取り組んでいる。また日本看護協会も緩和ケア認定看護師の資格制度を設け、専門家の育成に力を注いでいる。さらに、NPO法人日本ホスピス緩和ケア協会なども研修やセミナーを行って緩和ケアの普及に努めている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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