日本歴史地名大系 「美豆牧」の解説
美豆牧
みずのまき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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山城国久世郡(現,京都府久世郡久御山町)の牧。美豆野は禁猟区で,すでに天長年中(824-834)より勅によって樵夫・牧竪(牧童)以外の出入りが差し止められていた。ここに設けられた牧は平安時代左右馬寮の管轄下にあり,播磨国家嶋牧とともに近都六牧の機能を補完した。美豆牧には厩畠11町と野地すなわち牧50余町があり,馬寮付属の厩舎において飼養する馬で夏月に肥えないものをえらんで放し飼いにし,また寮所属の諸祭料の馬も放飼した。《栄華物語》ゆうしでの巻には〈競ぶべき草も菖蒲の駒もみな美豆の御牧にひけるなりけり〉の歌が見える。牧はその後,院の御厩に付属するようになり,御厩別当の管掌するところとなった。1188年(文治4)7月には,梶原景時の代官が年貢を出さないなどの不法を行ったので,美豆牧司はその取締りを源頼朝に訴えている。
執筆者:高橋 昌明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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