(読み)セン

デジタル大辞泉 「羨」の意味・読み・例文・類語

せん【羨】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(漢) エン(呉)(漢) [訓]うらやむ うらやましい
セン〉うらやむ。うらやましがる。「羨望欽羨きんせん
〈エン〉墓の地下道。「羨道えんどう
[名のり]のぶ

えん【羨】[漢字項目]

せん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「羨」の意味・読み・例文・類語

うら‐やみ【羨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うらやむ(羨)」の連用形名詞化 )
  2. 他の恵まれたさまを見て、ねたましく思ったり、不平や不満が生じること。ねたみ。そねみ。
    1. [初出の実例]「うらやみありていかでかなど、かたくいふに」(出典:枕草子(10C終)九二)
  3. 他のすぐれたさまを見て、そうありたいと願うこと。羨望(せんぼう)
    1. [初出の実例]「山ごもりの御うらやみは、なかなか今様だちたる御ものまねびになむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)

せん【羨】

  1. 〘 名詞 〙 うらやむこと。
    1. [初出の実例]「したい事をもせいで心を不乱じとするは羨を去るぞ」(出典:史記抄(1477)二〇)

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普及版 字通 「羨」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] セン・ゼン・エン
[字訓] うらやむ・あまり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(せん)。(せん)の初文。〔説文〕八下に「貪欲なり」と訓し、字を(ゆう)の省に従うとするが、字の形義を説くところがない。墓壙の羨道(えんどう)の意もあり、また羨余の意もあることからいえば、羨道で犠牲を供えて祭り、その余肉を人に頒つことと関係のある字であろう。には唾して汚す意があり、盜(盗)とは血盟を唾して汚し、その盟約に離する者をいう。

[訓義]
1. うらやむ、ほしがる、したう。
2. あまり、あまる、おおい。
3. よこしま、まがる。
4. 延に通じ、はかみち、羨道。
5. (ぜん)と通じ、よわい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕羨 アタフ・ホム・コフ・ネガフ 〔字鏡集〕羨 ウラヤム・ホム・ノブ・ネガフ・ヒク・コフ・アマル・アタフ・ミチ・ヒキイル・ススム・コヒネガフ

[語系]
羨・zianは同声。垂・羨望の意がある。餘(余)jiaに羨余の意があり、余肉のときは羨jianの音でよむ。

[熟語]
羨除・羨道・羨門・羨愛・羨羨盈・羨羨穫・羨語羨耗・羨楽羨財羨殺羨爾・羨息羨粟・羨田羨慕・羨望羨漫・羨余・羨欲羨禄
[下接語]
羨・栄羨・盈羨羨・艶羨・企羨・仰羨・欽羨・羨・敬羨・慶羨・健羨・清羨・多羨・嘆羨・慕羨・漫羨・余羨・陽羨

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