羽田山・羽田神社(読み)はだやま・はだじんじや

日本歴史地名大系 「羽田山・羽田神社」の解説

羽田山・羽田神社
はだやま・はだじんじや

[現在地名]気仙沼市 赤岩上羽田

赤岩あかいわ地区の上羽田にあり、岩手県境にある徳仙丈とくせんじよう(七一一・九メートル)大森おおもり(七六〇・二メートル)などの端山にあたる。標高四六〇メートルにすぎないが、羽田権現社(羽田神社)の奥宮月山社が頂上にあり、七歳男子の「お山がけ」が、例年旧八月一六日に行われることでも広く知られている。「観蹟聞老志」に「波多権現 在赤岩村、緒方三郎惟良所建也、毎歳晩秋廿八日、振神輿于気仙沼釜前之、社中蔵惟良佩刀」とあり、「封内風土記」にも赤岩邑の項に「三所権現社 在はた、故称畠権現、伝云、月山羽黒羽山三所也、不何時勧請、緒方三郎惟良所創建也、別当修験羽黒山白照寺三蔵院」とみえる。古くから修験の徒の拠るところであった。羽田権現社は神山かみやま川の源流に位置し、「聞老志」の記す「神輿振り」行事はこの川に沿って神輿が巡幸し、海浜に至って「潮垢離(修祓)行事」を行うもので、現在も九月二九日の例祭に、この「浜下り神事」は行われ、またその場には神明社(現五十鈴神社)祭祀してある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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