改訂新版 世界大百科事典 「聖書協会」の意味・わかりやすい解説
聖書協会 (せいしょきょうかい)
Bible Society
キリスト教の正典である聖書の出版,翻訳,頒布,普及を目的とするプロテスタントの団体。イギリスで1804年に創立された後アメリカなど欧米各国に続いて設立されたが,外国伝道の発展にともないアジアにおいても事業を行うようになり,日本では1874年から始められた。英米の聖書協会から独立した日本聖書協会が組織されたのは1937年である。46年には聖書協会世界連盟United Bible Societiesが結成され,国際的な事業を展開している。77年現在,聖書協会による世界の聖書翻訳言語数は1631,これは言語総数の約半分にあたり,山地少数民族の言語による翻訳も年々増加している。77年度に全世界で頒布された聖書の総数は4億1000万冊以上,日本だけでも1000万冊を超す。最近は世界各国でカトリックとプロテスタントが共通して用いることのできる共同訳聖書が刊行中で,日本でも78年に《新約聖書共同訳》が完成した。なお,聖書をホテル,病院,刑務所などに寄贈する民間の伝道団体として,国際ギデオン協会Gideons International(1899年アメリカで設立)が知られている。
執筆者:古屋 安雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報