六訂版 家庭医学大全科 「肺アミロイドーシス」の解説
肺アミロイドーシス
はいアミロイドーシス
Pulmonary amyloidosis
(呼吸器の病気)
どんな病気か
アミロイドと呼ばれる特殊な蛋白が、全身のさまざまな臓器に沈着してくる病態です。病気が全身に起こることはオーシスといわれるので、アミロイドーシスといいます。
原因は何か
疾患の分類は、①アミロイドの沈着が全身性に起こっているか、一部臓器に限られているか、②原因不明であるか、基礎疾患に伴っているか、③アミロイド蛋白の種類はどんなものか(AL、AAなど)、によって行われます。
基礎疾患に伴って起こる場合の原因疾患としては、慢性炎症性疾患(関節リウマチ、
呼吸器系で問題となるアミロイドはほとんどがALタイプで免疫グロブリンに由来するため、免疫グロブリンの過剰生産やクリアランス(排泄)の障害が、沈着と関連するものと推定されています。
症状の現れ方
肺のアミロイドーシスでは、病変が中枢気道にあると
腎臓が侵されるとネフローゼ症候群、心臓に沈着した例では心不全や伝導障害、消化管に沈着すると食欲不振、腸の
検査と診断
アミロイドの有無は、直腸で粘膜を採取し、コンゴーレッド染色や偏光顕微鏡検査で確認します。
治療の方法
病状は数年にわたり徐々に進行します。本疾患での死因は腎不全や心不全です。内科的な治療法はありません。単発性の場合の予後は、悪くありません。
千田 金吾
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報