肺浸潤(読み)ハイシンジュン

デジタル大辞泉 「肺浸潤」の意味・読み・例文・類語

はい‐しんじゅん【肺浸潤】

肺のX線検査を行ったとき、わずかに陰影が認められる状態。かつては肺結核初期の意で用いられた。

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精選版 日本国語大辞典 「肺浸潤」の意味・読み・例文・類語

はい‐しんじゅん【肺浸潤】

  1. 〘 名詞 〙 肺に結核菌が侵入した時に、防衛反応として見られる肺の病巣。病巣が新しい時に血液からの液性浸潤が多く、X線写真上でも淡い境界不鮮明な形を示すものをいう。古くはX線写真上で、肺に結核性病像が認められるものを総称した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「肺浸潤」の意味・わかりやすい解説

肺浸潤
はいしんじゅん

胸部X線写真において雲状あるいは軟らかい斑(はん)点状、または均等な陰影を示すものをいう。大きさは小さな限局性のものから広範囲にわたるものまで種々である。病理解剖学的には滲出(しんしゅつ)性病変であるが、ときには無気肺の場合もある。原因は、肺結核、肺炎ほか、多くの肺疾患によっておこる。肺結核が不治病気として恐れられていた時代には、患者へのショックを和らげるために、肺結核ではなく肺浸潤という病名を用いたこともある。

[山口智道]

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改訂新版 世界大百科事典 「肺浸潤」の意味・わかりやすい解説

肺浸潤 (はいしんじゅん)
pulmonary infiltration

かつて,肺結核罹患率が現在よりも高かった時代に,胸部X線写真で小範囲の浸潤陰影(境界不鮮明で均一な陰影)がみられるが,空洞を伴わず,また喀痰検査では結核菌がみられないようなときに,〈肺結核が強く疑われる〉という意味で用いられた言葉。しかし,現在ではほとんど使われていない。
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百科事典マイペディア 「肺浸潤」の意味・わかりやすい解説

肺浸潤【はいしんじゅん】

肺の結核性病巣。胸部X線写真上,雲状や柔らかい斑点を呈するものをいう。

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