能勢妙見(読み)ノセミョウケン

デジタル大辞泉 「能勢妙見」の意味・読み・例文・類語

のせ‐みょうけん〔‐メウケン〕【能勢妙見】

大阪府豊能とよの能勢妙見山山頂にある仏堂。長元年間(1028~1037)能勢頼国の開創と伝え、慶長10年(1605)能勢頼次が久遠寺21世日乾を請じて日蓮宗改宗能勢妙見堂

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精選版 日本国語大辞典 「能勢妙見」の意味・読み・例文・類語

のせ‐みょうけん‥メウケン【能勢妙見】

  1. 大阪府豊能郡能勢町にある日蓮宗の寺、真如寺通称。元和三年(一六一七)の創建開山の日乾(にちけん)が妙見大菩薩を奉祠して以来、妙見信仰中心となった。

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改訂新版 世界大百科事典 「能勢妙見」の意味・わかりやすい解説

能勢妙見 (のせみょうけん)

大阪府豊能(とよの)郡能勢町にある日蓮宗の寺。正称は無漏山真如寺。妙見山の山上にある。国土擁護・災害滅除の利益がある妙見菩薩をまつる。寺伝によると,長元年中(1028-37)この地の豪族能勢頼国が,先祖の摂津源氏多田満仲が守護仏とした妙見菩薩を現地に勧請したことに始まるという。のち慶長年間(1596-1615),能勢頼次が身延久遠寺の日乾(につけん)に帰依して,霊符を開運妙見大士と改め,日蓮宗に改宗してから,開運の霊験四方に聞こえ,西日本における妙見信仰の中心となった。近時も京阪神,濃尾地方,三丹地方,岡山県下などを中心に,講社300余,信者数は10万以上という。開運堂と呼ばれる本堂をはじめ現在の堂舎は明治になってからの改造。山上にあるにもかかわらず,毎年2月の初午,4月の勝利祭,7月の虫払祭は参詣者でにぎわい,平日でも参詣者は絶えない。
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百科事典マイペディア 「能勢妙見」の意味・わかりやすい解説

能勢妙見【のせみょうけん】

大阪府能勢町の日蓮宗真如寺に属する妙見堂。標高660mの妙見山頂にあり,1028年能勢頼国が守護仏として妙見菩薩をまつったのに始まるという。江戸時代日蓮宗となって妙見信仰が広まり,百日法華と称して他宗の信者も参拝した。山頂からの展望にすぐれ,能勢電鉄ケーブルカーが通じる。
→関連項目川西[市]能勢[町]

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世界大百科事典(旧版)内の能勢妙見の言及

【妙見】より

…仏教信仰に属する妙見信仰が,妙見宮に鎮守神としてまつられるようになったのは,このころからであろう。その後,日蓮宗の寺院に多くまつられ,近世初頭に勧請された大阪府豊能郡能勢町にある真如寺の妙見堂は,〈能勢妙見〉として広く名を知られている。現在の日蓮宗では,《法華経》を擁護する善神の一つとして,確かな地位を得ている。…

【妙見山】より

…大阪府豊能郡能勢町,豊能町と兵庫県川西市の境界に位置する。信仰の山で,山頂には能勢妙見として知られる無漏山真如寺がある。鎌倉時代の地頭領主の系譜を有する旗本能勢氏の援助と保護によって江戸時代初期に伽藍が整備された。…

※「能勢妙見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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