大阪府豊能(とよの)郡能勢町にある日蓮宗の寺。正称は無漏山真如寺。妙見山の山上にある。国土擁護・災害滅除の利益がある妙見菩薩をまつる。寺伝によると,長元年中(1028-37)この地の豪族能勢頼国が,先祖の摂津源氏多田満仲が守護仏とした妙見菩薩を現地に勧請したことに始まるという。のち慶長年間(1596-1615),能勢頼次が身延久遠寺の日乾(につけん)に帰依して,霊符を開運妙見大士と改め,日蓮宗に改宗してから,開運の霊験四方に聞こえ,西日本における妙見信仰の中心となった。近時も京阪神,濃尾地方,三丹地方,岡山県下などを中心に,講社300余,信者数は10万以上という。開運堂と呼ばれる本堂をはじめ現在の堂舎は明治になってからの改造。山上にあるにもかかわらず,毎年2月の初午,4月の勝利祭,7月の虫払祭は参詣者でにぎわい,平日でも参詣者は絶えない。
執筆者:藤井 学
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…仏教信仰に属する妙見信仰が,妙見宮に鎮守神としてまつられるようになったのは,このころからであろう。その後,日蓮宗の寺院に多くまつられ,近世初頭に勧請された大阪府豊能郡能勢町にある真如寺の妙見堂は,〈能勢妙見〉として広く名を知られている。現在の日蓮宗では,《法華経》を擁護する善神の一つとして,確かな地位を得ている。…
…大阪府豊能郡能勢町,豊能町と兵庫県川西市の境界に位置する。信仰の山で,山頂には能勢妙見として知られる無漏山真如寺がある。鎌倉時代の地頭領主の系譜を有する旗本能勢氏の援助と保護によって江戸時代初期に伽藍が整備された。…
※「能勢妙見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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