自己実現(読み)ジコジツゲン

デジタル大辞泉 「自己実現」の意味・読み・例文・類語

じこ‐じつげん【自己実現】

self-realization自己本来もっている真の絶対的な自我を完全に実現すること。普遍的、絶対的自我の実現が究極目的であり、それに導く行為が正しい行為だとする、T=H=グリーンブラッドリーなどの倫理説。グリーンは、これが人生の究極目的であるとした。自我実現
転じて、自分の目的、理想の実現に向けて努力し、成し遂げること。「自己実現を夢見る」「第二の人生では地域への貢献を通じて自己実現を目指す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自己実現」の意味・わかりやすい解説

自己実現
じこじつげん
self-actualization

人間欲求うち最も高度であり,同時に最も人間的な欲求として,自己の内面的欲求を社会生活において実現すること。アメリカの心理学者 A.マズローは 1954年に欲求5段階説を発表した。人間には下位から順に生理的欲求,安全への欲求,社会的欲求,自尊欲求,自己実現欲求があり,下位の欲求が充足されると,より上位の欲求が人間の行動動機となるとした。自己実現欲求は,人間の物質的欲求が充足されたあとに発現する欲求である。したがって豊かな社会においては,この自己実現欲求が人間の重要な行動動機であると考えられている。

自己実現
じこじつげん
Selbstbetätigung

K.マルクスの概念。人間の合目的生産活動過程で,ある対象に働きかけ,それを獲得しながら,人間としての豊かな自己の能力個性を実現させていこうとするもの。

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