自然の光(読み)シゼンノヒカリ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然の光」の意味・わかりやすい解説

自然の光
しぜんのひかり
lumen naturale

古代の光の形而上学に由来する概念で,啓示を意味する恩恵光 (超自然の光) に対して理性を意味する。キケロがすでにこの言葉を用いており,スコラ哲学において普及した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自然の光の言及

【照明説】より

…この認識論は中世のフランシスコ会のものとなり,さらに神秘主義や光学にも大きな影響を与えたが,他方,認識を感覚からの抽象という理性の自発的な働きに基礎づけるアリストテレス以来の考え方があって,照明説は13世紀以後衰退した。しかし近世に入ってもマールブランシュのように,〈恩寵の光lumen gratiae〉に代わる〈自然の光lumen naturale〉の照明をもって理性認識の原因とみなす機会原因論もあった。新プラトン主義【泉 治典】。…

※「自然の光」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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