自然免疫(読み)シゼンメンエキ

デジタル大辞泉 「自然免疫」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐めんえき【自然免疫】

ある種の病原体に対して生体が生まれながらにもっている抵抗性先天性免疫。⇔獲得免疫

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精選版 日本国語大辞典 「自然免疫」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐めんえき【自然免疫】

  1. 〘 名詞 〙 人や動物特定の病原体に対して生まれつき持っている抵抗性。広義には人工的操作によらないで獲得した免疫。先天免疫。〔からだの手帖(1965)〕

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百科事典マイペディア 「自然免疫」の意味・わかりやすい解説

自然免疫【しぜんめんえき】

生物体が生まれつきもっている免疫で,獲得免疫の対。唾液(だえき)などに含まれる酵素のような体液性因子と食細胞の働きや各組織の化学的・物理的条件によって,外来微生物を阻止する作用のこと。また,予防接種のように人工的に与えた免疫でない免疫を意味することがある。この場合,母親抗体胎盤初乳を通じて移入されたものや,自然感染によって獲得した免疫も含まれる。
→関連項目獲得免疫

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知恵蔵 「自然免疫」の解説

自然免疫

免疫とは、通常体外からの病原体に感染して、初めて病原体を攻撃する抗体や特殊なリンパ球が産生される現象をいい、獲得免疫ともいう。感染してから抗体などが作り出されるまでには、一般に2週間前後が必要だが、実際には病原体が感染すると、ただちに病原体を攻撃するような仕組みが働いている。これを自然免疫という。近年、この機構分子レベルで解明されてきた。すなわち、病原体共通の構造パターンを認識する物質が細胞表面上にあり、病原体の感染により、いち早くこの物質が病原体を認識して、攻撃する物質(サイトカイン)を細胞から分泌させることがわかってきた。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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改訂新版 世界大百科事典 「自然免疫」の意味・わかりやすい解説

自然免疫 (しぜんめんえき)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「自然免疫」の意味・わかりやすい解説

自然免疫
しぜんめんえき

免疫

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栄養・生化学辞典 「自然免疫」の解説

自然免疫

 →先天性免疫

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世界大百科事典(旧版)内の自然免疫の言及

【血球】より

…リンパ球は免疫とよばれる現象によって生体防御反応に関与している。免疫とは病気から免除されているという状態で,これには,生来病気にかからない状態(自然免疫)と,一度かかったら二度と同じ病気にならない状態(獲得免疫)がある。リンパ球には,その成熟過程で胸腺の助けをかりるTリンパ球と,胸腺の影響を受けないBリンパ球がある。…

【免疫】より

…免疫系の構成,さらにはそれを統御している機構を解明することは,現代の免疫学に与えられた最大の課題である。
【獲得免疫と自然免疫】
 疫を免れるという意味では,個体はもともと自然の抵抗性を備えている。たとえばヒトはイヌのジステンパーにかからないし,ブタはヒトの赤痢菌に対する感染性を生まれつき免除されている。…

※「自然免疫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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