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食細胞 ショクサイボウ

百科事典マイペディアの解説

食細胞【しょくさいぼう】

貪食細胞とも。動物体内にあって食作用をもつ遊走細胞の総称。E.メチニコフがヒトデ幼生の間充織で発見し命名した(1884年)。組織間隙(かんげき)を遊走して,細菌,異物等を清掃処理し,生体の防衛反応にあずかっている。

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栄養・生化学辞典の解説

食細胞

 小さな物質の塊や細菌などを取り込む細胞.異物や,自己の物質の変性したものなどを取り込んで分解する.生体防御系システムの一つとされる.

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくさいぼう【食細胞 phagocyte】

動物の体内にあって固形物を食べる遊走性の細胞の総称。E.メチニコフによる命名。貪食細胞ともいう。白血球やその他の遊走細胞は組織細胞と異なり,身体の中を独立してかけ回る。体液に乗って動いたり,組織の上をはって動くのであるが,このような運動型をアメーバ運動とよぶ。アメーバ運動を行う細胞は,アメーバであれ,白血球細胞であれ体外から固形物を餌としてとりこんで生きているので,食細胞と呼ばれ,この餌をとりこむ作用を食細胞運動とよぶ。

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大辞林 第三版の解説

しょくさいぼう【食細胞】

細菌などを捕らえて消化・分解する細胞。生物体の自己防衛や不用物の排出などの役目をする。高等動物の白血球のうちの好中球と単球・マクロファージ・組織球など。貪食どんしよく細胞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食細胞
しょくさいぼう

動物体内にみられ遊走性またはそれに類した性質を示す細胞で、食細胞活動により体内の異物を細胞内に取り入れ分解する。高等脊椎(せきつい)動物では白血球や組織球、肺や腹腔(ふくこう)のマクロファージ、細網内皮系の細胞(骨髄、脾臓(ひぞう)、リンパ節の細網細胞、肝臓のクッパー細胞)などが食細胞で、細菌、真菌、ウイルスのほかに、死んだ細胞や固形物を食作用により処理し、生体の防衛や清掃に役だっている。海綿動物、環形動物、棘皮(きょくひ)動物などにもみられ、食物粒子の細胞内消化や、不用物の排出を行う。単細胞動物では、食胞が細胞内消化を行い、食細胞の役割を担っている。[高橋純夫]

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世界大百科事典内の食細胞の言及

【炎症】より

…しかし当時多くの学者は,血管からしみ出た血清が細菌などを無毒にすると考えていた。現在では,貪食細胞(食細胞)などによる細胞性要素と,血清などによる液性要素との両方が,炎症過程に重要な要因であるということがわかってきている。
[炎症の原因と経過]
 炎症の原因は,微生物ことに細菌やウイルスなどの感染が最も頻度の高いものであるが,酸やアルカリなどの化学物質,火傷,外傷,放射線などの物理的な要因,アレルギーなどの免疫反応など種々のものがある。…

※「食細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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