臭素化(読み)しゅうそか(その他表記)bromination

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「臭素化」の意味・わかりやすい解説

臭素化
しゅうそか
bromination

臭素原子を含む化合物をつくる反応をいう。不飽和結合に臭素原子を付加させる反応と、他の原子あるいは官能基を臭素原子で置換させる反応とがある。付加反応の例としては、エチレンに臭素を作用させて1,2-ジブロモエタン臭化エチレン)を合成する反応がある。

  CH2=CH2+Br2―→CH2Br-CH2Br
 置換反応の例としては、ベンゼンに臭素と鉄粉を作用させてブロモベンゼンを得る反応、エタノールに臭素とリンを作用させてブロモエタン臭化エチル)を得る反応がある。

  C6H6+Br2―→C6H5Br+HBr
  6C2H5OH+3Br2+2P
   ―→6C2H5Br+2H3PO3
 臭素以外にも、臭化水素、三臭化リン、金属の臭素化物などの臭素化剤がある。

[谷利陸平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の臭素化の言及

【ハロゲン化】より

…有機化合物に1個またはそれ以上のハロゲン原子を導入する反応で,ハロゲンの種類によって,フッ素化,塩素化(クロル化),臭素化(ブロム化),ヨウ素化などと呼ばれる。(1)フッ素化 有機化合物のフッ素化は,近年薬理活性化合物との関連で,きわめて多くの反応が開発されている。…

※「臭素化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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