花伝書(読み)かでんしょ

精選版 日本国語大辞典「花伝書」の解説

かでん‐しょ クヮデン‥【花伝書】

[1] 〘名〙
立花伝書各種がある。
の伝書一般をさす。
[2]
[一] 世阿彌の著書。「風姿花伝」の俗称。
[二] 室町末期に各種伝書類が集成されて成立した能楽伝書「八帖本花伝書」の略称

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世界大百科事典 第2版「花伝書」の解説

かでんしょ【花伝書】

《風姿花伝(ふうしかでん)》の通称世阿弥が父観阿弥の遺訓に基づいてまとめた最初の能楽論。正しい書名は《風姿花伝》あるいは《花伝》であるが,1909年吉田東伍によって翻刻されたいわゆる吉田本が《花伝書》と命名して以来,この名で知られている。ただし,本来,〈花伝書〉とは室町末期以来の能伝書一般あるいは華道の伝書を意味した呼称であり,また世阿弥の遺著に仮託されてきた《八帖花伝書》の題名でもあって,それを吉田本が本書に転用したのは必ずしも妥当な処置とはいえない。

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世界大百科事典内の花伝書の言及

【家道】より

…重代,譜代の者であることが技能,資質と並んで主要な要件とされた。家が道の追求によって〈家〉となり,〈道〉が家によって保持されるという補完的な構造を端的に指摘する言葉として,世阿弥《花伝書》別紙口伝の〈此別紙の口伝,当芸に於て家の大事,一代一人の相伝なり,たとへ一子なりといふとも,不器量の者には伝ふべからず,家家にあらず,次ぐをもて家とす,人人にあらず,知るをもて人とすといへり〉という表現がある。道を保持継承する具体的な方法は〈〉の習得によってなされる。…

【風姿花伝】より

…略称を《花伝》ともいう。一般には《花伝書》の名で知られているが,著者自身,書名の由来を〈その風を得て,心より心に伝ふる花なれば,風姿花伝と名付く〉と言明している。 7編から成るが,当初から全体が構想され,順次に書き進められたというものではない。…

【吉田東伍】より

… 歴史地理学のほか日本音楽史にも精通し,とくに能楽の造詣が深く,1908年《世子六十以後申楽談儀(ぜしろくじゆういごさるがくだんぎ)》(《申楽談儀》)を校訂,これが世阿弥伝書の発見につながる契機となった。09年,吉田が《花伝書》と命名した《風姿花伝》をはじめ,当時発見された世阿弥の著書16部を収めた《世阿弥十六部集》を校注,〈吉田本〉と呼ばれる。これは従来の観阿弥・世阿弥像を一新させ,近代能楽研究の出発点となった。…

※「花伝書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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