花園山(読み)はなぞのやま

日本歴史地名大系 「花園山」の解説

花園山
はなぞのやま

標高八〇二メートル、花園川が流れ出る。「常陸紀行」に「其土高峻、東海の表に傑出し、一勝がいなり」とある。「吾妻鏡」治承四年(一一八〇)一一月の条に、源頼朝が佐竹秀義のこもる金砂かなさ(現久慈郡金砂郷村)を攻め落し、敗れた秀義が「入深山、赴奥州花園城之由、風聞」とあるが、奥州は誤りで花園城はこの花園山とされる(常陸紀行)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「花園山」の意味・わかりやすい解説

花園山
はなぞのさん

茨城県北東部、北茨城市にある山。標高798メートル。阿武隈(あぶくま)高地に属し、地形隆起準平原の残丘、地質緑色片岩(へんがん)がおもで、鍾乳洞(しょうにゅうどう)もある。花園川の源流地で落葉広葉樹林をなし、クロサンショウウオムカシトンボなど高山、渓流性の生物がみられる。795年(延暦14)創建花園神社境内の大スギ、コウヤマキアズマシャクナゲ群落花園渓谷の七ツ滝は県指定の天然記念物・名勝で、これら一帯は花園花貫(はなぬき)県立自然公園の一部となっている。

[櫻井明俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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