芽球(読み)ガキュウ

デジタル大辞泉 「芽球」の意味・読み・例文・類語

が‐きゅう〔‐キウ〕【芽球】

造血幹細胞血球に分化する過程の幼若な細胞ブラスト(blast)。

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精選版 日本国語大辞典 「芽球」の意味・読み・例文・類語

が‐きゅう ‥キウ【芽球】

〘名〙 淡水産の海綿が、繁殖のため体内に内部出芽として形成する球状のもの。冬期や乾燥期などに親の海綿が死んでも生き残り、再び環境条件がよくなった時に殻から細胞が出てきて新個体となる。ふなのこ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芽球」の意味・わかりやすい解説

芽球
がきゅう
gemmule

海綿動物に特有の無性生殖体。Cliona など一部の海産海綿と,SpongillaEphydatia など淡水産海綿のほとんどがつくる内生芽で,これが発芽して新個体になる。直径 1mm内外の小球で,生殖細胞と栄養物を蓄積した細胞群が間充織内に生じ,骨片を含む被膜がこれを包む。干魃時,寒冷時,また秋に本体が死ぬと,これに耐える芽球が残り,春あるいは条件の好転に伴い出芽成長する。ほかの動物に付着して遠方まで移動することもできる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「芽球」の意味・わかりやすい解説

芽球
がきゅう

淡水海綿および四軸海綿のうちのイソカイメンなどが、乾期や低温期に耐え、一種の無性生殖をするための構造をいう。海綿体内に、遊走細胞の一種である栄養に富む卵黄細胞が集塊を形成し、周囲を1層の柱状細胞が被覆し、さらに骨片母細胞が骨片層とキチン膜を形成して、直径300~500マイクロメートルの芽球が完成する。芽球は海綿体が崩壊すると水中に放出され、凍結・乾燥に耐え、条件がよくなると卵黄細胞塊がアメーバのような運動で芽球からはい出し、種々の細胞に分化して新海綿体を形成する。芽球はまた水鳥や魚などに付着して分布範囲を拡大するのにも役だつ。

[八杉貞雄]

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世界大百科事典(旧版)内の芽球の言及

【カイメン(海綿)】より


[生殖]
 カイメンは雌雄異体または同体で,生殖法には有性生殖と無性生殖の両方が見られる。また芽球gemmuleという無性個体がつくられることがある。無性生殖は母体から芽がでて大きくなり,個体を増大させる。…

※「芽球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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